アフガンいのちの基金No.90
「ジャララバードより報告」

現地広報担当 大月 啓介
2002年03月07日(木)


ジャララバードより報告です(直接送信できるようになりました)。 こちらは、短い春を足早に駆け抜け、日中の日差しはもう夏を思わせます。

昨年12月の作業再開時には、120の井戸が枯れていましたが、その後の再生作業で100以上の井戸から再び水を出すなど、徐々にかつてのペースを取り戻しつつあります。とはいえ、やはり3ヶ月に渡る事実上の活動休止期間の影響はあるようで、蓮岡さんもソルフロッド、ロダット、アチン、と駆け回っていますが、住民との揉め事も少なくなく、対応に追われています。中には、枯れた井戸の再生作業を「ボーリングでないと掘らせない」と主張するなど、非協力的な態度を露わにする住民もいて、「共同作業」の意識の必要性を説明するのに苦慮しています。

ロダット郡では、そのような井戸が25あり、近々地方政府を交えて長老達を集め、会議を開く予定です。その場で、住民内での解決ができなければ、やむを得ずそれらの井戸からは撤退することになります。非協力的、ということは、現時点では幸いそれほど水不足は深刻ではない地域、ということもあるのでしょうが、再生作業も3度、4度と繰り返されると、作業をする住民の間にもダレが出てきてしまうのが現実のようです。

今後の作業拡大に備えて、新しいエンジニア9名が採用されました。65名の応募者に対して2度の筆記試験が行われ、最終面接に残った15名の中から選ばれました。何人かのエンジニアは既に仕事を始めています。採用を担当したスタッフは、非常に優秀なエンジニアが集まったと満足しています。しかし、エンジニアとしての能力よりも、勢いとアクの強さを重視する蓮岡さんは、「『優秀な』エンジニアばかり残ってしまった、やはり採用は面構えで選ばんといかん」と、今回の筆記重視の採用にはあまり納得していない様子です。

ダラエヌールは目黒さんがカブールから戻り次第、いよいよブディアライ村の灌漑用井戸でウォーターポンプ作業を開始します。夜間のポンプの盗難を防ぐため、スタッフが泊り込むためのテントも調達しました。ウォーターポンプが新たに購入でき次第、1基追加して2基体勢で作業を進める予定です。今回新たに採用されたエンジニアのうちの1人は、この灌漑用井戸の作業に従事することになっています。

ニングラハル州の隣のパクティア州では、ここ数日、米軍による爆撃が続いていますが、100キロほど離れたソルフロッド郡にも、スピンガル山脈を越えて爆撃音が届いています。パクティア出身のPMSスタッフは、今回の爆撃に関して、「例えるなら、PMSから1人アルカイダに参加したとして、だからといって、このオフィスを爆撃するようなもんだ」と言っていました。


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