水路現場写真(2009年10月29日受取)



事務局のみなさん

週間報告です。
1.  砂で埋まっていたガンベリ沙漠横断水路の浚渫が完了し、「土石流通過の道」
  を作っています。
2. 沙漠の岩盤周りの貯水池(Q2、Q3)土手の「ブランケット工事」が山場を迎えて
  います。
3. ガンベリの開拓と並行して小水路をはりめぐらし、排水路を作っています。
4. モスクの外装・内装、とくにモスク前の参道、沐浴場が完成しかけています。
5. 湿地帯処理はとりあえず最終段階ですが、主要排水路の拡張工事に手をつけ
  ました。

 工事を行っている側からすると、一週間はあっという間です。相手がでかいので、いかに単調な作業に耐えるかの根比べです。変わりばえしないようですが、作業地の写真を送ります。

 ところで、都市部、とくにカブールとペシャワールの治安はひどくなっていて、以前には考えられないような事態になっています。ペシャワールでは今年7月、「残留する地元の旧職員が基地病院を引き継いで運営する」と決めましたが、現在の状態で存続する見通しは絶たれたと考えてよいかと思います。また、アフガニスタンも同様に時間が迫ってきたと感じています。近い将来、小生が往来できぬ事態がやって来ます。この数ヶ月がおそらく最後の勝負、出来る全てを完了する積りでおります。
 特に用水路は、15万人の人々が生きていけるかどうかの問題ですから、職員たちの生活保障と共に、責任を全うしたいと思います。事情をご理解のうえ、どうぞ御協力下さい。



「沙漠横断水路を横切る土石流の道」建設。基礎が終わりあと4週間で完成。背後に見えるのが砂防林の苗木で、6ヶ月間でほぼ全て活着している。1ヶ月半後には、用水路の水が途切れなく流れるようになる。それに合わせて、分水路、排水路、橋、水門などの工事が進められている。10月28日。



開墾が進む農場。最終的な面積は約200ヘクタールだが、一挙にはできない。
麦までに約48ヘクタールを目指す。



大部分の開墾地は、砂丘の凹凸をならし、大小の灌漑路をめぐらせねばならない。時間がかかる。10月29日



モスク前面。やっと参道らしくなってきた。右側が体を清める水場。
10月28日



沐浴場。この水も用水路から引かれ、分水路に帰る。左上がK貯水池。
10月28日



レンガ畳みの参道近接。10月28日



Q2大池の最後の仕上げ。赤土の大量輸送でブランケットを敷く。厚さ0.5~1.0m、広さ35,300㎡。さすがに時間がかかる。推定土石量は約2万立米。もう4週間かかる。右側に活着したヤナギが見える。これが池の水位。10月29日


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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