水路現場写真(2009年12月19日受取)


事務局のみなさん

 ガンベリ沙漠の岩盤周りは、やはり大きく、賽の河原のような努力が続けられています。もう改修はないという前提で完ぺきを期していますから、それだけ時間がかかります。測量させると、Q2池が周囲1,170m、Q3池が820mで合わせると大濠公園並みなのです。

 それでも、1週間後には満水予定です。麦まき時期を逃しましたが、第二試験農場50ヘクタールは整地を終え、現在第二試験農場の整備が進んでいます。整地を担当していた職員はちょっとガッカリですが、とりあえずシャルシャム(菜種)とシャフタル(アルファルファの原種)が植えられることになりました。3月はスイカを盛大に作付けします。「欧米には時計があるが、吾々には時間がある」。最近気に入った名言で、PMSもアフガニスタンの掟に従います。

 植樹班は頑張っており、「蜂蜜の園」が用水路末端2ヘクタールに植えられます。これは、乾燥に強いビエラという植物で、ダラエヌールが沙漠化した時に唯一残っていた樹木です。初め土手の保護に使う予定で、梅本さん(元ワーカ・植樹担当)がいた頃から少しずつ種から増やし、2,000本が移植を待っています。非常に甘い実のなる花を咲かせ、蜂たちが集まるのです。4~5m以下の低木で、棘があるので遊牧民は近寄らず、いたずら好きの子供たちも蜂を恐れます。このビエラの蜂蜜はアフガン特産、安くて美味しく、小生は毎日食べています。


成長したビエラの木。種から約1年。成長は他の木に比べて遅いが、
乾燥にはめっぽう強い。


 マドラサは600名通っていますが、寮を作る資金的なゆとりがなかったところ、先ほど福元さんから連絡があり、伊藤くんの御両親が寄贈を申し出られました。2ヶ月後の譲渡式には間に合わないかもませんが、一同大変な喜びようでした。先ずは譲渡式に間に合うよう60名ほどが寝泊まりできる施設を併設、少しずつ拡張します。


沙漠に耕地を拓く。第一農場(約150ヘクタール)の開墾。第二農場約50ヘクタールは準備完了。左手遠くに見えるのは開拓農民の住宅で、完工式まで10件(家族を入れて100名)を移住させる。12月15日 ガンベリ沙漠



Q2大池の最終工事。12月17日、水を入れ始めた。



Q3池のブランケット工事。あと1週間。大きいけれども、Q2池の後なので、みな「小さい小さい」と安請け合いしたが、やはりこれも大きい。12月17日



O池(取水口から19km地点)の植林。水周りが定番のヤナギ。土石流路はユーカリの林。いずれも植樹から1年経過したもの。
ヤナギは2m以上、ユーカリは3m以上、1年で伸びる。12月16日。



植えても植えても木が伸びる。移植を待つガズの苗と、ビエラ。育苗場は押し合いへしあいだ。ぼやぼやしていると、苗ではなくなってしまう。
12月16日。



マドラサの最年少クラス。教室の部屋が足りなくて、屋外事業。
実は外の方が温かいのだ。12月16日。


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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