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マルワリードⅡ計画と研修所設立の準備を開始

対岸合同自治会との協議。9月22日、コーティ、タラーン、カチャレイ、ベラの各村代表を集め、PMSとの協約がなされた。元々が自治社会である村落にとっては、巷に言われる「治安情勢」は問題ではない。パキスタンからの大量難民帰還が進む現在、最大の脅威は飢餓である。農地回復の成否が地域の興廃を決定する。各村はPMSに将来を委ねる形となった。1992年のマラリア診療はまだ住民の記憶に新しい。それほど見放されていたということだ。 2016年9月22日 コーティ村にて

カチャレイ村の取水堰建設予定地。手前にB1岩盤が張り出し、対岸に長大な単砂州(長径約950m)がある。岩盤沿いに深い急流河道があり、長年変化していない。対岸はシギ村落群が広がる。2006年にPRT(地方復興チーム)が作ったものは完全に崩壊している。今冬の天王山。2016年9月22日

ミラーン堰の現在。取水口付近。取水門付近の水位は、これまでの堰の中で最も安定しており、大過なく洪水期の夏を過ぎた。極端な土砂堆積も起きていない。山田堰を模した砂利溜めと砂吐きは、予想以上の効果を上げた。2016年9月21日

ミラーン堰全体の俯瞰。河道③Bの傾斜は良く保たれ、約700mを5mの落差で下る。護岸線沿いに河道が固定されている。砂州Ⅰの前に発生した小河道に挟まれる部分が緩流となり、砂が堆積している。河道幅狭めて流速を調整すれば消えるので、大きな問題にはならない。これで目的は達した。砂州I・Ⅱ・Ⅲも良く基本形をとどめている。2016年9月21日

今夏最も危惧された河道②の流れと石張り堰。河道③Bから下る流水を二分し、河道①にかかる洪水水位を避ける。殆ど変化を見ていない。同河道両岸は籠と粗朶柵で良く守られている。砂州Ⅱ・Ⅲ間の堰幅は最終的に約100m、中央に砂利吐きを設けてある。2016年9月21日

砂州Ⅲの表面の状態。砂礫は洗い流され、粗朶柵は壊滅状態である。おそらく上流の分流閉塞で砂州を越える流水量が増し、水深が深くなったためだ。それでも砂州全体の形状はほとんど変化していない。粗朶よりも、埋設した籠が、大きな働きをした可能性が強い。残った石の粒径は30~60㎝で、たくあん石ほどの巨礫がしきつめられている。かなりの掃流力(水深×流速)にも耐える。近い将来、埋設籠を増し加え、更に観察を続ける。2016年9月21日

研修所建設に向け、交通路を整備している。用地は約9ヘクタール、全体を公園化し、揚水水車、小電力発電機などを設置、水利設備の展示場を兼ねるアイデアもある。建設は9月に鍬入れ式を行い、一年がかりで行われる。冬季はPMSにゆとりがないので、4月に本格化する。2016年9月21日

同建設用地全体を上流から見る。今後、PMSの基地としても重きをなす。
2016年9月21日

ベスード第二堰の現在。堰体そのものは強靭で、殆ど影響を受けていない。上流側の砂州の変化が大きな問題であるが、ミラーン堰の経験を生かせば、打つ手はある。今年は仕事量が多いので、改修を延期、2017年1月にコンクリートで砂吐き設置を予定。2016年9月20日

ガンベリ主幹排水路の現在1㎞地点を通過中。排水路の水位を2.5m前後下げ、広大な地域の湿地が一掃された。これについては、別に詳しく報告します。
2016年9月20日

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