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トピックス2020.10.28

現地活動の報告―9月12日
PMS & PMS支援室 記

皆様、お元気でお過ごしでしょうか。
現地では、8月1日に発生したマルワリード用水路-N区が横断するウオレスダラ(ダラ=谷の意)で鉄砲水が発生した後、早期送水再開を目指して修復工事が進められておりました。予定通り8月10日には取水門をあけ用水路全線への送水が再開されました。
早期に送水を始める事ができた理由の一つには、用水路の両壁の蛇籠工と柳枝工が役割をしっかり果たせていた事があげられます。柳の並木で用水路の位置が分かるほど完全に埋まってしまいましたが、土砂をかき出してみると、用水路の両壁はびくともしておらずしっかり用水路の体をなしておりました。
これを目撃した職員をはじめ、浚渫工事をした村人たち、近くでじっと工事の様子を見ていた多くの村人が、蛇籠工と柳枝工を伝承していくきっかけになったことを感じています。

マルワリード用水路の維持管理について;
中村先生とジア先生がこれまでとてつもない時間をかけて注意深く進め、近年やっとの思いで合法的に立ち上げられた、マルワリード用水路流域の水組合の機能化を中村先生の流儀でPMSが流域住民と進めていく事をサポートしたいと思います。

休日を返上してこの用水路の修復工事をしたPMSの重機運転手や、工事を積極的に手伝った用水路の末端のガンベリ沙漠で農業を担当しているアジュマル技師は、近隣の村に住んでいることもあり、被災した村人たちをたいへん励ましたようです。工事の詳細については、10月初旬発行の会報145号にPMSのエンジニアたちが報告をしておりますのでご覧ください。

マルワリード用水路改修工事計画について;
工期:2019年10月~2023年9月
作業スケジュールの変更をしました。 ① 今年予定されていた、取水門間口の2門造設、コンクリート製の土砂吐き=可動堰、取水門以降の用水路50mの拡幅工事は、2021年冬季に行う。

②H地区以降の用水路の浚渫作業---9月1日から開始した。上記①の工事前までに用水路全線の点検を含め浚渫する。
※流域の水組合の機能を確立させる?PMSがこれまで手掛けてきた既存用水路(もともと水組合又はそれに匹敵する用水路維持管理のための流域のルールがある)とは異なり、マルワリード用水路は全く新しく建設された用水路であり、27㎞の用水路の流域には多くの部族が住み、全然まとまりがないため、用心して進めていく必要がある。

以上です。
PMS支援室一同

▼8月1日 マルワリード用水路M,N,O地区で鉄砲水












▼マルワリード用水路全線浚渫工事開始














▼ガンベリ公園では、ドクターサーブ・ナカムラ記念塔が完成した。中央には中村医師の肖像が描かれ、側面には彫刻が据えられた。2020年9月8日


▼完成したドクターサーブ・ナカムラ記念塔を下から見る。
完成したドクターサーブ・ナカムラ記念塔を下から見る

▼農場ではみかんの剪定、接ぎ木のほか、野菜畑の水やり、草取りなどが継続されている。


▼柑橘の出荷風景。バザールで販売される。