Top» トピックス» 掲載日:2023.3.23

風景は一変していました

ペシャワール会事務局 藤野洋子
3回目のアフガン訪問
 昨年12月の現地視察訪問に同行しました。アフガニスタンに入るのは3回目です。最初は2003年3月、ペシャワールのPMS病院で会計の手伝いをしていた時、マルワリード用水路の鍬入式に行きました。2000年頃からの干ばつが進み、どこにも緑はなく、人影もない荒涼とした荒野が広がっていました。

 2回目は2007年、第一期工事が完成し、竣工式出席のため事務局から後藤前会長他数名で訪れた時でした。用水路の水で麦が育ち、スランプール平野は近くの山から見下ろすと一面の緑で、避難先から帰って来た村人によってきれいに区画され植樹もされていました。その日から第二期工事が始まり、ガンベリ沙漠までの中村先生のご苦労は、先生から送られて来る週報や帰国された時の報告会で知ることができましたが、今回現地を訪れて取水口からガンベリまで車で走り、あらためて27kmという長さ、途中のいくつもの難工事を中村先生、日本人ワーカー、PMS職員、作業員の村の人々が力を合わせて乗り越え、完成されたのだと実感しました。

▲ガンベリ農場の子牛。2022年12月22日

 用水路に水が流れ、畑が復活してから約20年経ち、風景は一変していました。家が建ち並び、各村々にバザールができ、色々な野菜、果物が並んでいました。痩せていた家畜も太り、牛、羊、鶏肉を売る店もいくつもありました。四つ辻では、人々の往来が多く、車が通り抜けられない程でした。

▲町や村々のバザールの様子_1。2022年12月26日


▲町や村々のバザールの様子_2。2022年12月27日

笑顔の子どもたち
 小学校の下校時間でしょうか。バッグを持った子ども達が楽しそうに道に出て来ました。干ばつの時も現地の子どもたちは良い笑顔でいると、中村先生は言われていましたが、今は、家族と共に飢えることなく食事ができ、いつ飛んで来るかわからない爆弾や銃声に怯えることもないのでしょう、本当に楽しそうに笑っていました。

 タリバンが政権をとってから随分治安が良くなったとのことです。色々問題はあると思いますが、数十年の間、戦争と干ばつの中で生きてきた人々に、この平和な時が続くようにと願わずにはいられません。
 アフガニスタン全土で干ばつは続き、PMSが手がけた灌漑設備による耕作可能地域は全土の約2%とのことです。また、診療所のあるダラエヌールでも干ばつが進んでいます。今までPMSが手がけていない新しい地域での用水路建設候補地も見て来ました。少しずつPMS方式の用水路が他地域に拡がればと思います。


▲町や村々のバザールの様子_3。2022年12月27日


▲町や村々のバザールの様子_4。2022年12月27日

 最後になりましたが、今回事務局の会計担当として行きましたので、少しだけ報告します。スケジュールの関係でジャララバードの会計室を見学しただけですが、部屋の中は整頓されていて、ファイル類が棚に整理されていました。朝のミーティングでは最初に購買担当者が当日の購入予定や物価などを報告し、協議が行なわれ、一日の仕事が始まります。皆様のご寄付が大切に使われていると感じました。