Top» 事務局からのお知らせ» 掲載日:2025.9.19

被災者1,000家族への
支援物資配給終了

9月18日報告
PMS支援室長 藤田千代子
*画像データあり

PMSは9月14日の作業で、予定していた1,000家族への支援物資配給を終えた。収支報告をペシャワール会に提出した後、第二期の被災地への支援を協議し早急に作業を開始する予定であるが、職員たちはひとまず本来の仕事場に戻り、留守中の事業の確認や今後の作業の調整に忙しく過ごした。

【9月13日の調査、14日の配給作業の報告】
PMSは9月13日(土)、クナール河対岸の避難キャンプに高地から下ってきた二つの集落アレクとシェマッシュの被災者家族に支援物資を配給すべく、調査と配給カードの受け渡し作業を行なった。

 ひとつのテントに3~4家族が収容されており、行政により名簿が作成されていた。PMSはその名簿をもとにテントをひと張りずつ訪問し、名前と被災状況を聞き取って、名簿や情報の確認を行ない、合計600家族に配給カードを手渡した。あるテントに住む高齢の男性は、地震で家屋は全壊し3人の子どもと兄弟を1人亡くしたと、か細い声で悲しみを訴えた。

 被災地に入り、数えきれないほどの被災状況を見聞きして胸を痛めているPMSの調査チーム約30名は、心身共に疲れ切っている。

 そんな彼らが生き生きと報告をすることがある。それは被災地へ向かう道中、小さな車に水を積み込んで急ぎ被災地へ向かう支援者を目撃したこと、また、寄付金を募って買った氷を避難キャンプで配っている大学生グループや、弁当を各テント配っている人を見たことなど。どれも決して十分な量ではないが、裕福ではない人たちが何か役に立ちたいと動いている。また、一人のご老人が孫であろう2人の青年を連れてテントを順番に訪ね、入口で女性を呼び(こちらの慣習としては大変珍しい)5,000アフガニ(約1万円)を何も言わず手渡した。習慣上まずは年配の女性がいるかを尋ね、いないテントであれば子供に渡し、父親ではなく必ず母親に渡すよう言いつけた。家族全体を世話して状況をよく把握しているのは母親である、というのがご老人の考えだった。名前を尋ねる女性たちに対して名乗る必要はないと言い、すぐさま次のテントへ移動し黙々と支援金を渡していたとのこと。このような行動がPMSの職員たちに力を与えている。

 日本の方々の想いがこもったペシャワール会からの支援が彼らを奮い立たせていることは言うまでもない。職員たちが支援物資を買い付け、トラックに積み込み、そして配給する時、アフガン人に会ったことも話したこともない多くの日本の方々が、地震の被災地に心を寄せて下さった──このことがまさに彼らに大きな力を、そして被災した人々に慰めをもたらしている事実をしっかりと感じ取ることができる。

 14日の配給日、ブルカをまとった女性二人が抱きついてきて支援物資への感謝の気持ちを伝えてくれた。避難所の責任者によると、まとまった小麦粉や米などの食糧支援はPMSが初めて行なったとのことで、被災者家族は当面の心配がなくなり安心したのだろう。キャンプの入口にナン職人がタンドウ―ル(土で作られたナンを焼く釜)2つで商売をしていた。避難民たちは小麦粉を職人に渡し、一枚につき3アフガニほどを支払い、焼いてもらっているのである。

 避難キャンプの責任者からは、ドクターサーブナカムラのチームが継続してアフガニスタンで支援をしてくれることに心から感謝している旨のお言葉を頂いた。
この言葉をそのまま日本の方々にお伝えしたい。
皆さまのご支援に心から感謝申し上げます。

▼ヌールガル避難所の様子。2025年9月13日

▼聞き取り調査を行い、配給カードを渡すPMS職員たち。 2025年9月13日

▼配給を持つ人々。2025年9月14日

▼小麦粉や毛布等の配給が行われた。2025年9月14日