2003年度の医療事業報告 及び2004年度の計画 ペシャワール会現地代表・PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長 中村哲 |
ペシャワール会報80号より (2004年07月07日) |
2003年度は160,389名が診療を受けた。ペシャワール基地病院、各診療所の実績は下記表1の通りである。 ダラエ・ピーチ渓谷の「沖縄ピースクリニック」は、2003年9月に落成したが、同時期に米軍の活動が活発となり、建設・移転が難航した。ワマ診療所も改築中、ラシュト診療所は増築中である。
PMS(ペシャワール会医療サービス)基地病院では、高給を求める医師、看護師、検査技師が大挙してカーブルに移り、一時診療態勢が危機に陥った。その上、水路建設事業のための重機や資機材調達、急増した日本人ワーカーの世話に忙殺されて過重な負担となったものの、よく持ちこたえて従来規模の診療が継続されている。藤田院長代理の指導下で、中山会計担当、仲地医局長、坂尾検査技師ら、が長期に安定して働き始めたのは大きな成果であった。 医療計画(PMS病院直轄)は当面、既設の以下の診療所に限定、診療所を基点に周辺へフィールドワークを行う。 |
診療所 | 場所 | カバーする人口 |
外来診療能力 (1日あたり) |
ラシュト診療所 | パキスタン/チトラール北端 | 約20,000人 | 50名 |
ダラエ・ヌール診療所 | アフガニスタン/ニングラハル州 | 約70,000人 | 150名 |
ダラエ・ピーチ診療所 | アフガニスタン/クナール州 | 約120,000人 | 150名 |
ワマ診療所 | アフガニスタン/西部ヌーリスタン州 | 約40,000人 | 80名 |
国名 | パキスタン | アフガニスタン | ||||
地域名 | ペシャワール市内 | チトラール地域 | ニングラハル州 | クナール州 | ヌーリスタン地域 | |
病院・診療所名 | PMS病院 | ラシュト診療所 |
ダラエ・ヌール 診療所 |
ダラエ・ピーチ 診療所 |
ワマ 診療所 |
総数 |
診療総数 | 58,472 | 4,735 | 4,4089 | 37,152 | 15,941 | 160,389 |
外来総数 | 50,537 | 4,584 | 42,680 | 35,500 | 14,969 | 148,270 |
【外来の内訳】 一般外来 |
49,437 | 4,566 | 40,632 | 32,548 | 14,667 | 141,850 |
ハンセン病 | 110 | 4 | 12 | 3 | 0 | 129 |
てんかん | 656 | 0 | 219 | 76 | 10 | 961 |
結核 | 36 | 5 | 2 | 0 | 20 | 63 |
マラリア リーシュマニア |
298 | 9 | 1,815 | 2,873 | 272 | 5,267 |
入院総数 | 1,773 | - | - | - | - | 1,773 |
【入院患者の内訳】 ハンセン病 |
178 | - | - | - | - | - |
ハンセン病以外 | 1,595 | - | - | - | - | - |
外傷治療数(延べ) | 6,162 | 151 | 1,409 | 1,652 | 972 | 10,346 |
検査総数 | 28,404 | 0 | 9,505 | 9,970 | 1,854 | 49,733 |
【検査内訳】 血液一般 |
3,491 | 0 | 1,764 | 1,672 | 412 | 7,339 |
尿 | 2,956 | 0 | 1,148 | 1,889 | 381 | 6,374 |
便 | 2,256 | 0 | 1,451 | 2,243 | 632 | 6,582 |
好酸菌 | 638 | 0 | 34 | 5 | 0 | 677 |
マラリア リーシュマニア | 2,353 | 0 | 4,839 | 3,869 | 207 | 11,268 |
その他 | 16,710 | 0 | 269 | 292 | 222 | 17,493 |
■医療事業関係職員:125名 |
・パキスタンプロジェクト:66名 ・アフガンプロジェクト:52名 ・日本人ワーカ:7名 |
医師…22名 看護…39名 検査…11名 ワークショップ…2名 薬局…2名 |