ペシャワール会 現地報告No.108 「760カ所の井戸、カレーズが完成」 水源確保計画現地責任者:目黒 丞 |
2002年12月31日(火) |
ダラエヌールの灌漑用井戸ではD1からD3までがタービンポンプで順調に水を供給しています。D3の供給開始は12月12日でした。D4とD5にもエンジンを先に搬入しており、水位が確保でき次第ポンプの取り付けが可能な状況です。 ヨセフ(水源確保事業ダラエヌール責任者)からの報告で現在の各灌漑用井戸からの供給による耕作面積は以下のようになっています(1ジリブ=2000u)。ヨセフの目測によるものなので厳密ではありませんが、ほぼ正しい数字とのことです。 |
■D1 30〜40ジリブ ■D2 30〜35ジリブ ■D3 20〜25ジリブ ■D4 5〜8ジリブ ■D5 5〜8ジリブ |
スータン村(ダラエヌール渓谷東側上流部)については村人同士の合意ができていないので、現在は静観を続けています。先にウェーガル村(ダラエヌール渓谷西側上流部)方面に手をつけてもよいと思いますので、次回ダラエヌールへ行くときに視察してこようと思います。 貯水池についてはシュキアライ村(ダラエヌール渓谷中流部)で調査を行っており、もうすぐ計画地図が出来上がるそうです。かなり大きなものになりそうですが、ディダー(水源確保事業エンジニアセクション、チーフエンジニア)の話ではほとんどの材料がダラエヌールで手に入るため安価に仕上がるそうです。先に大掛かりなものから手をつけて、その後に小規模な貯水池を数多く作る方針で進めようと思います。 以前、ヨセフに対してコマンダー(小規模の民兵の指揮官、政府軍ではない)が灌漑用井戸を要求したことがあったそうですがメンテナンスが不要な貯水池を考えていると説明したところ、現在、灌漑用井戸の要求はありません。注目と期待を集めていると思われます。 ただし、ブディアライ地域(ダラエヌール渓谷下流地域)は灌漑用井戸が必要と思われますので再度調査を行って新規の井戸を掘りたいと思います。 トルハムの井戸については、No.1はもうすぐタンクが完成します。No.2は電気式のポンプによるシステムでしたが、現在、最深部のポンプが故障しており、29日にハビブラフマン達メディカルメンバーがペシャワールに運びました。 カクラック村(ソルフロッド郡西部)ではアレンジ済みも含めて13本ですが、その中で暫定的に完成した井戸が3本、水が出て作業中の井戸が2本となっています。 治安は今までどおり悪いですが、クナール州(ジャララバードのあるニングラハル州の隣の州、ダラエピーチクリニックがある)で米軍が医療調査を装ってコマンダーの家を訪れ銃撃戦になったことが話題になっており、反米感情が反NGO感情につながるという懸念があります。 私の留守中も大きな事故はなく、細かい問題が続くことや治安が悪化することもありましたが総じて作業は順調に進んでいました。明日から現場を回って来ようと思います。 |