ペシャワール会 現地報告No.111
農業計画近況報告
2003年01月20日(月)


ダラエヌールの試験農場から望む山々
2002年12月29日撮影

1月10日

ダラエヌールもだんだんと冷えてきました。風邪をひかないように注意したいと思います。山の雪も少しまた解けてきました。

ブディアライでは、No1の畑においてアルファルファの収穫を始めました。一緒にとってはいけない他の草なども混ざっていて、それらを取り除きながらの作業です。

茶は現在12本残っています。少し見た感じ元気になったかのような気もします。カラヒシャヒにおいて、小麦が病気にかかったらしく発芽状況が芳しくありません。追加して播種していこうと思っています。






農業計画担当:宮路 正仁
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アルファルファ畑(試験農場)
(タンパク質含量が高く、カルシウムなどの
ミネラルも豊富なマメ科エンドウ豆類の牧草)
1月17日

・カラヒシャヒの小麦発芽不良
@50cm平方の中の平均発芽本数はだいたい50本ぐらいと思われます。場所により差が大きいです。畝の南側、比較的水が溢れ上までかかっていた所は発芽率がいいです。
 
A葉先乾燥して茶色や黄色になっているものが見られました。

B根先は白く、茶色は見られません。しかしMrワリーは、土から根が病気になり葉にきたと言われました。 種はぷよぷよと軟らかいものがあり、指で潰すと中から乳液状の白い液が出て来ました。

・茶について
pHについては2002年12月30日に橋本さんと一緒に測定しました。パキスタンの茶園で使われていた挿し木用の土と、カラヒシャヒのNo5・6の3つについて行いました。その結果は、パキスタンの茶園の土が6.7、カラヒシャヒのNo5の土が5.4、No6の土が4.5となりました。

・近況

カラヒシャヒでは追加して小麦の播種を行いました。発芽率が悪かったのは土が固かったせいかもしれないので、ランベイでよくほぐしながら蒔きました。ブディアライでは引き続きアルファルファの収穫を行っております。カッターマシンの小屋は今、ドアと窓を準備中です。

農業計画担当:宮路 正仁
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小麦畑(試験農場)
2002年12月29日撮影

小麦の発芽不良(01月20日)

50cm平方に50本発芽していれば、7cm平方に1本になりますね。やや少な目ですが大きな問題点ではないと思います。

播種時の畦の形、潅水方法、潅水量、覆土の方法等、再検討が必要だと思いますが、基本的な問題は、土壌中の有機物がほとんど無いために、畑の土が壁土を練ったような状態になり、折角発芽しかけた根が酸欠状態になることだと思います。

麦は発芽に十分な酸素が必要な作物なのです。「指で潰すと中から乳液状の白い液」云々の種は酸欠で枯死した種だと思います。また有機物が少ない土は、水の横浸透と保水力が無いために、潅水量の少ない部分の発芽が悪いのだと思っています。

なお葉先が黄色くなっているのは多分病気ではないと思います。多分水分不足かあるいは発芽直後に寒風にさらされたのではないでしょうか。

農業指導員:高橋 修


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