ペシャワール会 ワーカー現地報告No.119
収穫祭の開催による成果の普及
農業計画進捗報告
農業指導員:高橋 修
2003年11月03日〜20日
* 2003年11月03日から20日まで農業指導員の高橋修さんが現地に滞在し進捗状況を確認すると共に当面の進め方について指導しました
サイレージの詰め込み
前日(一部前々日)に刈り取って軽く萎れさせたソルゴー(イネ科の牧草)を主体にして、乾いたトウモロコシで水分調節をしながら、直径95cm×深さ240cmの縦型サイロに詰め込んだ。

気密性を保つために、サイロの底にビ二ールを敷き、順次材料を入れながら十分踏圧を繰り返した。上部はビ二ールを敷きつめた後、石を推定300kg乗せて重しとし、最後にビニールで覆って防水した。
注)サイレージ:飼料作物をサイロに詰め込み、乳酸発酵させて貯蔵した家畜の飼料のこと。
2メートルに生育した刈り取り直前のソルゴー





春から5回目の刈り取り。一部風で倒れている。サイレージ用のソルゴーの刈り取り。刈り取り回数と時期、施肥量、作付体系に若干の改善が必要であるが、ほぼ成功したと判断される。農家の評価も高い
カッターマシンによるソルゴー・トウモロコシの細断





カッターマシンによる細断(カライシャヒ村にて)
井戸枠を利用したサイロに細断したソルゴーを詰め込む
ソルゴーの詰め込みをする高橋指導員(右)と現地スタッフ

詰め込んだサイロにビニールを敷きつめ、石を載せて空気が入らないよう密封する
密封したサイロと、現地スタッフ、村の人々、高橋指導員(左から3人目)、橋本ワーカ(左から5人目)
1,5カ月毎に刈り取れる日本種アルファルファー(マメ科の牧草)。アルファルファーについては、生育が速く高収量で現地に定着したと判断される。農家の評価も高い。
サツマイモ
7月に生育中の蔓先を採って定植したサツマイモ
サツマイモについては、小面積であったが予想以上の成果が得られ、現地農家の嗜好にも合って大好評であった。また7月に、成育中のサツマイモの蔓先を採って試験栽培したが、1株3〜4個収穫することができた。やや小型(食べごろの大きさ)であるが十分実用性があると考えられた。特に翌年用種芋の現地自給の目途がつき安堵している。7月植の栽培形式についてはすでに周辺農家に広がりつつある。

ブドウの定植
ペシャワールPMS病院・ブディアライ試験農場担当農家で育苗してきた苗木を、ブディアライ試験農場のNo.6、No.7圃場に定植した。定植方法は、あらかじめ堆肥が施してある予定地に、40cm角、深さ30cmの穴を掘って植え付け潅水した。
アルファルファーの畝間にブドウの定植位置を確定
ブドウ苗51本の定植完了
茶の定植
あらかじめ、カライシャヒ試験農場・No.5(約7アール)に幅1.5m、高さ20cmの畦を準備し、この畦の西側にパキスタン・ミンゴーラの研究所から無償で譲って貰った茶苗約900本を定植した。東側には来春遮光用としてソルゴーを播種する予定である。また今年の3月からNo.6に試作していた挿し木苗20本、実生苗20本をNo.5に移し変えた。
茶の定植準備。8月に硫黄華を散布してpH値を下げてある

茶苗900本(予備苗含む)を70アールに定植(枯れるのを見込んで50cm間隔)
3月に定植した茶。枯死・伸長不良の株も多い

40℃以上の夏の高温と乾燥で、傷んだ茶の葉

植え付け後直ぐに株元に潅水。
ポンプ設置が間に合わずヤカンで潅水
ラマダン(断食月)最中の金曜日、午後16時まで掛かって900本を定植(現地スタッフと高橋指導員、橋本ワーカ)
ラマダン最中の朝食風景。日の出前の朝4時に朝食を採り夕方17時過ぎまで飲食しない(左手前鈴木学ワーカ、右手前橋本ワーカ)