アフガンいのちの基金No.61
「 現地人スタッフ、診療、食糧配給に奮闘」

PMS看護部長 藤田千代子
2001年12月06日(木)
ジャララバードで食糧配給を開始して4日目の今日、ジャララバードにストックしてあった食糧の全てを配給し終わった、と配給結果と一緒に連絡が入りました(詳しい事は事務長や蓮岡さんが報告しました)。

タリバーン後にジャララバードに押し寄せた権力者達への水源確保事業や病院のスタッフのたゆみない交渉の努力には驚きます。現在ジャララバードの治安を司っているハザラット・アリと同郷でパシャイー語が話せるという事で、11月15日にペシャワールの病院からジャララバードヘ送ったPMSスタッフにとって、PMSの食糧や車両を持っていこうとする者は殆ど自分の村の知り合いや親戚でした。ペシャワール会とは13年間関わりを持つ彼はダラエヌールや他のクリニックの準備時から関わっていたので、中村先生がなぜ自分達の村のような誰も訪ねてこないようなへんぴな所にクリニックを開いたか等、ペシャワール会の活動の事をパシャイー語で説明して回り、最後には、こんな状態が続くならば日本側はクリニックを閉めてしまうだろうと迄話したそうです。ジャララバードに来ているパシャイー族の人達は「それは困る」と言ったそうです。いつもクリニックを開く時に 「いい仕事をしていれば地元住民が自分達でクリニックやスタッフを守るようになる」と口癖のように話しておられた中村先生の言葉を思い出します。

昨日ジャララバードから病院へ帰って来たスタッフは 「他の機関は全ての物が略奪されたにもかかわらず私達の事務所は何も取られていない。ハザラット・アリに一時使われていた車両でさえ帰って来た。今では数人のコマンダーが、自分にも何かあなた達の仕事を手伝わせてくれ、と言っているくらいだ」と話しました。

食糧配給やマラリア診療の写真が届き、今日イクラムラ事務長と一緒に見ました。白衣を着ていないドクターや検査技師、看護士なので顕微鏡や薬品、聴診器が近くにないとスタッフの方が患者さんみたいだ、と笑いましたが、今の治安の安定していないアフガニスタンの状況の中で、今、このスタッフ達が何もない所で診療をして、食べ物を持たない人達に食糧を届けているどの姿を見ても胸が詰まる思いがします。ジア副院長は明日カブールへ行き状況を観察した後ペシャワールへ戻る予定です。再度サロビあたりで判別不明の何者かに襲われた人達がいるとニュースも入っていて心配はつきません。またお便りします。


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