アフガンいのちの基金No.93
「ダラエヌールクリニック増設用地決まる」

現地連絡員 目黒 丞
2002年03月23日(土)

今年のアフガニスタンの新年は木曜日でしたので、月曜までは休暇にしております。

昨日22日、ダラエヌールクリニック増設用地の仮契約を行いました。現在のクリニックの土地を東に4メートル、北に23.5メートル拡張する事になりました。計画当初の3倍近く土地を提供していただきました。
 金額は月曜のミーティングで決定することにしましたが3年間はその金額を継続する事と、それ以後はもし通貨の暴落や所有者の心変わりがあっても適正な金額になるように、その広さの畑から取れるはずの小麦の時価を上限とする事を契約書に入れておきました。

 問題となったのは現在その土地でケシの栽培が行われていることでした。所有者が別の住民に貸しており、その住民が栽培していたのですが、私が見ても見事なほどに育っており栽培を中断させるのであれば収穫量を補償するか、2ヵ月後の収穫まで待って欲しいと言われましたが、ヨセフと所有者(ヨセフの親戚)が一生懸命交渉して最終的に合意に達し、決定後すぐにケシの伐採が行われました。月曜にエンジニアを送り増築を開始します。

 先日より国際機関が各学校で文房具の配布を行っており、ほとんどの子供に行き渡ったとのアナウンスがありましたが、調べてみるとマドラサ(寺子屋のような地域の教育施設)では配布をしていないことがわかりました。ダラエヌールには4ヶ所の小学校と1箇所の高校があります。それ以外に2箇所のマドラサがあり、かなりの生徒がおります。学校は政府と国際機関の援助があるのですが、マドラサは政府の管理を受けているにも関わらず、村人の寄付で運営されているそうです。

 タリバン政権下ではマドラサと学校の区別がなく、ダラエヌールだけでも20箇所近くあったそうですが、現在は2ヶ所にまとめられているので、以前お話があったマドラサの援助の件はすぐにでも調査を始められます。

 堤について相談した結果、かなり効果的だとの意見を得られました。灌漑用水の確保だけでなく地下水位も上がるそうです。月曜にスタッフをダラエヌールに送りヨセフの挙げた候補地を視察させる予定です。設計にはレベリングマシン(測量用の水平測定器)が必要ですがジャララバードでは手に入らず、ボーリングマシンの購入のためにラホールへ向かうエンジニアに見積もりを依頼しました。人材はブディアライ出身の新しく雇ったエンジニアに担当させるつもりです。現在はアチンにおいて研修中です。中村先生の指示があればすぐ始められるように準備しております。

 アチンの事務所についてですが、以前蓮岡が住民と交渉し1年以上はPMSが事務所として使う合意を得ましたが、最近になって政府から学校を再開するので返還するようにとの要求が来ました。月曜にオフィスの人間を送り交渉させる予定です。


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