ダラエ・ヌールの夜は油断大敵です!?
PMSワーカ(水路・灌漑計画担当) 宮路正仁
ペシャワール会報76号より
(2003年07月09日発行)
現地職員と宮路ワーカー(左)
水路建設の測量チームへ
ぺシャワール会員の皆さん、お元気でしょうか? 現地に来て早くも半年が経ちました。3週間の日本での休暇の後帰ってきたアフガニスタンは、あっと言う間に暑くなっていました。6月中旬現在の気温は、外気で50度を超し、室内で40度ちょっとぐらい。空気は乾燥しており、外でしばらく仕事をしていると舌が乾燥してきます。しかし、湿度がないためあまり暑くは感じません。

今回、中村先生が水路に力を入れる事になり、私の仕事も農業のアシスタントから水路の測量チームの方へ異動となりました。この測量チームは、現在PMSの現地技師が2人で、自分を入れても3人しかいません。2人がスタッフという物差し型の棒を持って立ち、中央の1人が器械でその高低差を読み取るという仕事から、少なくとも3人、記録係りも入れると4人は欲しいところ。足りないところは地元の人を雇ってやっていたらしいです。

測量の仕事は川辺の崖から野原の真中まで様々な場所が歩けるので、散歩にはもってこいです。さすがに仕事の時間は暑い時は避けていて、早朝から午前中、あと夕方など涼しい時間帯に集中してやっています。

アメーバ赤痢!
現地に着いてすぐ、3日という本当に短い期間の間に、2度目のアメーバー赤痢にかかってしまいました。仲地医師が言うには、結構多く体内に入らないと発症しないらしいので、何か悪いものでも食べたのではないでしょうか。普段はよく食べる現地食もさすがにこのときばっかりは体が受け付けませんでした。

アフガニスタンのご馳走
こちらの食事は、ご飯は油で炒め、スープにはギイと呼ばれる羊の油がこってりと入っており、他の料理もオクラの炒め物など、とにかく油をよく使うのです。こういう時、日本の事務所から送られてくる食料が我々の生命線となります。味噌汁はうまいですね、やっぱり。他のワーカーの方々の優しさも身にしみます。

今回は、ダラエヌールのPMS診療所でドクターに診てもらい、ジャララバードの他の病院で再度検査を受けさせてもらいました。食事の前にはちゃんと石鹸で手を洗うように言われ、そりゃそうだと思いながらもしっかりやってなかった事に気付きました。今はもう病気も治り、元気に現場を駆け回っています。

パキスタン、アフガニスタンでよく使われるベッド木の枠に縄を張ってベッドにします
蚊帳が必需品
ダラエヌールを語るにあたり、夜ははずせません。各エンジニア達がオフィス内での作業・ミーティングを終え、測量チームも計算を済ませてしまいます。夜11時近く発電機のけたたましい音が静まり電気が消えた時、街灯の明かりもないこの村では晴れていれば夜空の方が明るくなります。ダラエヌールの星はまた格別です。

夏の夜はみんなベッドを外に出して蚊帳を1つずつ張って寝ます。聞こえてくるのは、虫の音、犬の鳴き声、隣の人のいびき。星が見たかったので蚊帳から顔だけを出してしばらく見ていたら、プゥーンという音が聞こえてきたので慌てて首を引っ込めました。マラリヤの蚊ならマラリヤ、他の蚊でも何か病気を持っている可能性があるので、クリニックのメディカルチームはみんな蚊帳を使っています。しかし、水事業の人はあまり気にしないらしく、使わない人もいるようです。
流れ星を待っていたら、蚊帳の中からでも見える元気のいい流れ星が見えたので嬉しかったです。