少しずつ人里らしくなるガンベリ沙漠。
水を求めて人も集まる。動物も集まる。
Q2大池のブランケット敷設工事中、水たまりに遊牧民の群が押し寄せる。今年はスピンガル山麓の草地が消滅、クナール州方面は戦乱。今やマルワリード用水路は遊牧民たちのメッカだ。人の気配がなかったガンベリ沙漠は、少しずつ人里らしくなっている。(下写真/11月2日)
工事の邪魔になるが、誰も遊牧の群だけは止めない。植樹チームが泣く時期がやってきた。

どうやって池の水を抜くのかという疑問があったようですが、これは浸透してなくなるのを待つのです。日本の堤もかつてはそうで、排出門を全開して貯水池への流入を止めれば、残った水は地下に浸透して消えます。年月が経てば、底に粒子の細かい赤土が溜り、植物の根が張り、干上がるのが遅くなってきます。普通、このての用水路の「浸透損失」は25~30%前後を目安とします。
最近の日本の堤は、底に管水路が埋設してあり、急速に抜くことができます
。
しかし、地層によっては管水路(桶管)埋設で返って危険が生ずることがあります。すなわち、コンクリート構造物と柔らかい地層との間に隙間ができると、並々ならぬ水圧で空洞を生じ、あっという間に土手が決壊します。桶管の設置はかなり大がかりな工事となり、その後も管理に大きな手間がかかります。
ここは浸透水を完全に止めず、緩やかに地下水になってもらうことが、現地では最善です。