受信日:2010年05月11日



事務局のみなさん、

帰国してそろそろ、河童の皿が渇き始めてきました。
現場の様子は、現場でしか分かりませんが、定期的に報告させています。
工事はほぼ予定通りです。

現場から写真が届けられたので、おすそ分けいたします。



初夏の実り(開墾と作付け)。第二農場18ヘクタールは全て
利用できるようになりました。写真は落花生畑。



第一農場も耕作地を広げています。写真はネギ畑。



スイカがなり始めました。あと2週間もすれば、作業員全員に行き渡ります。
ガンベリ沙漠は猛暑で、昨年は水を配りましたが、今年は豪勢で、
スイカが水がわりに毎日、食べられます。



アフガン式スイカ畑への灌水。日本のように丁寧な苗床ではありませんが、
ガンベリ沙漠ではこれが一番だそうです。1日に1回、畝の間に水を流して
土を湿らせ、つるは幅広い畝の中に伸びていきます。


排水路と湿地帯


湿地帯処理は、5か所で排水路網に橋をかけ、主要水路を完了し、
掘削機で道路を敷きながら更に浚渫、機械力の要る主な作業は終わりました。
細かな分枝を畑の畔道沿いに張り巡らす手作業は、まだまだ続きます。



復活した旧湿地帯の耕地は、全てマルワリード用水路の水に頼り、
「O分水路」の灌漑網整備が組織的に進められています。



「P岩盤」直下は、既に3年前豊富な送水がシェイワ用水路からなされ、半沙漠状態から立ち直った場所でした。だが、O分水路が開通すると、厄介な低地となり湿害が発生しました。この低地は下手の広大な湿地帯と連続しており、掘り進めること
1年、やっと排水路の分枝が到着しました。これにて一件落着です。


Q2


浸透水は完全に制圧されました。最下段は幅50mの砂利が50~150㎝厚さに
敷かれ、外斜面全体に、約4,000本のクワと4,500本のユーカリ、池の周囲には1,2000本以上の柳の植樹が完了しています。



Q2大池を上流側から見る。



5月初旬の取水口。今年は平年並みの水位。
最後の改修から2回の洪水期を経て、ほぼ安定した。



増水期のカマ取水口 第一取水口は今年初めの改修で安定すると思われるが、
本格的な洪水を経ないと分からない。



カマ第一取水門から堰を見る。今年は冬の越流の長さを50~60m伸ばし、
対岸への影響を観察している。5月11日の報告では、取水門での水位95㎝、
昨年より約10㎝低い。



カマ第二取水堰。こちらの方は水位上昇が著しい。
対岸の島側の堰の状態は不明。


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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