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週報を再開します。目下の仕事は以下の通りで、秋の「カシコート」が最大の山場と見ています。

1.クナール河左岸カシコートの準備工事と最終測量
2.シギ村落送水サイフォン
3.マルワリード用水路E区域(カンレイ村)の揚水水車、給水路整備
4.ガンベリ沙漠開拓(給排水路整備と植樹)

今年は豪雪の分だけカブール河本川の水量が多く、集中豪雨が心配されます。クナール河の方は平年並みで、PMSの堰はどこも安定しているようです。
ベスード第一取水口は0.5mのかさ上げを終了、盤石のものとなっています。

やはり、マルワリード用水路は、流域農民の組織化が最大の仕上げで、シギのサイフォン、E地区の灌漑も、保全態勢確立に向けた動きの一環だと理解してさしつかえありません。やっと事情をのみこんできたジャララバード事務所は、ジア先生の機転と指揮がすばらしく、後は当方の気力と日本側の補給力だと思います。もうひと頑張りです。

地域農民=PMSの協力態勢は強固になってきています。
続々と集まる筵旗を背に、粛々と事を進めてまいります。

平成24年6月26日 記

ベスード第一取水口のかさ上げ工事。4月21日の洪水直後、4月24日に開始。
2012年5月7日

想定外は自然の常。わずか1メートルの余裕高がベスードの村々を救うとは思わなかった。昨冬の豪雪の急な解けだしを警戒、かさ上げに及んだもの。

同取水口。かさ上げ工事は2週間という驚異的な速さで終了。カブール河の水位は例年より高い状態が続いているが、水位は斜め堰でよく安定している。堰は強靭で記録的な洪水にも耐えた。
2012年6月20日(職員撮影)

同主幹水路の柳枝工。今年2月に挿し木したもの。柳の成長は3年目から急速になるが、一年目に十分水やりする。水路脇なら普通2年目には、水やりが不要なことが多い。活着するまでは動物と子供に注意する。
2012年6月20日(職員撮影)

自然相手の山場がカシコートなら、人間相手の山場がカンレイ村だった。マルワリード取水口から2~3㎞地点にある村で、新開地に近い。住民の大半がクナール州からバラバラに移住、村落秩序なく、難航していた。PMSが用水路両岸に交通路を確保し、区画を整理、揚水施設で潤す。8年越しの懸案が解決に近づいている。写真は同村の家長を集め協力を誓う。普通、この誓約が破られることは少ない。これはジア先生の辣腕に負うところ大。
2012年5月9日(職員撮影)

試みに設置した揚水水車。やぼったいが、改良すれば十分いけそうだ。堀川の着想で、独自に設計したものを数基置く予定。
2012年5月9日(職員撮影)

ガンベリ沙漠の西端にある自然洪水路を横切るサイフォンの上流側。釜場は既にできており、集中豪雨の過ぎる秋10月に200mのサイフォン管が建設される。マルワリード用水路の末端を事実上延長する工事で、完成すればシギ村落を貫通してクナール河に帰るルートとなる。
2012年6月20日

下流シギ側の釜場。住民が用水路の水を自分で引き込み、既に畑ができているが、これは激しい洪水の際に危険。この送水路が成れば、シギ村落の耕地が倍 増する。これも長年の念願だった。
2012年6月20日(職員撮影)

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