前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ

クナール河、大増水
~カシコート、ベスードで洪水流入を制す~

今夏は遅い降雪のため河の最高水位を5月下旬から6月中旬と想定、待機していたところ、案の定やってまいりました。

先日から現地と連絡を交わしながら、送られて来た現場の画像と電話で大わらわの状態です。以下の緊急工事が重機を動員して行われています。

1. カシコート・サルバンド村の洪水流入点の措置
2. ベスード護岸(カマ郡対岸)1700m地点の決壊対策

いずれも石出し水制で手際よく行われ、小生の到着を待っています。

今夏は治安が悪くなることを見こし、短期間で滞在を切り上げ、秋10月の本格的工事に備えたいと思っています。しかし、大抵の措置が的確に電話だけで出来るようになったのは、大きな前進です。

なお、シギ送水路は一か月以内に完了、楽しみは揚水水車です。これも今夏に設置にこぎつけたいと思っています。

日本はカラ梅雨で田植えが遅れているそうですが、アフガニスタンから見ると、夢のように美しい「水と森林の国」です。
もう一度、周りの緑の山々をご覧ください。平和な国で生まれたことを感謝せずにはおれません。詳しくは、現地に着いてから連絡します。

みなさん、お元気で。

平成25年6月6日 記

揚水用水車の第1号機、完成間近。
直径4.6 m、マルワリード用水路沿いの必要地点に順次設置される。朝倉の三連水車の構造を模したものだが、現地では材木の入手が困難。材木の比重0.7に対し鉄の比重9.5で計算し、鉄管やアルミ板を駆使、軽量化を図った。実験は近々ガンベリ沙漠で行われる。
2013年6月4日

ベスード護岸、1,700m地点の洗掘と、石出しによる応急措置。
このような事態にも指示ひとつで対処できるのは、やはり長足の進歩。
2013年6月6日

カシコート旧河道侵入点。
2010年の洪水通過地点の状態。高水敷が完全に浸かっているが、橋脚部での堰上りが非常に少ない。
2013年6月6日

カシコート取水門と河道③、河道④。
水位は取水門床面から約2m。旧中州は河道から落ちる水を受ける斜面を成している。
2013年6月6日

取水門を背面から見る。水門番小屋が作られている。間もなく植樹が始まる。
2013年6月6日

マルワリード取水堰、取水門を遠望
2013年6月6日

連続堰の第⑤河道。交通路は良く保たれている。
2013年6月6日

カシコート、サルバンド村の洪水流入点。河道の開放と石出し水制で安定している。
2013年6月6日

取水門から上流700m地点の堤防。
川幅を広げ、流水断面積を60%増加、水位上昇は以前より著しく減った。裏法に上流からの排水路を兼ねてドレーン工を施し、浸透水の不安はない。
2013年6月6日

前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ