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カーブル河、ジャララバードで氾濫
~ベスードI取水門で同郡西部は安泰
ジャララバード市内治安に暗雲~

8月3日、今度はスピンガル山脈方面で突然、広範囲な集中豪雨が発生、カーブル河が濁流であふれました。PMSの置いた取水堰と取水門でベスードは完全に守られています。昨年のカサ上げレベルまで水位が迫りましたが、越流しませんでした。
ベスード郡の人々は胸をなでおろしています。クナール河方面では、第三派の洪水がおしよせ、この方は帰国直後の指示で崩壊部の復旧工事を二週間前から再開させました。

可哀そうなのはジャララバード市内で、カーブル河沿いでかなりが浸水、おまけにインド領事館の爆破で十数名が死亡、大半が子供でした。米国公館は8月1日に全て閉鎖されており、自然界だけでなく人間界も大きな波瀾が押し寄せているようです。

本当は日本に居るどころではありませんが、毎日の電話指示で辛うじて動いている状態です。秋の工事準備に全力をあげたいと考えています。

1. マルワリード=カシコート連続堰の完成(JICA共同事業)
2. 既存水路との連結工事(JICA共同事業)
3. カシコート既存水路拡張工事(PMS単独事業)
4. シギ堰建設(PMS単独事業)

以上が今秋の主な布陣ですが、概して単独事業は、長い時間と息長い補給が必要となります。
予想しなかったベスード護岸は、部分改修が必要で、揚水水車も置かれます。そんなに一時に何でもできる訳ではありません。やはり河川工事と灌漑工事に緊急性があります。学校建設は努力しますが、延期の可能性も出てきました。洪水被害の復旧は相当の時間と費用がかかります。
ご協力を宜しくお願いします。情勢は刻々と変わります。ニュースにご注意ください。

平成25年8月4日 記

ベスード第一取水口。対岸ジャララバード市内に浸水。水門でよく守られているのがわかる
2013年8月3日職員撮影

対岸の惨状。孤立した住民の救助活動。市内では、おそらく近年になかった大被害となる
2013年8月3日職員撮影

ベスード第一取水門で昨年行ったカサ上げが奏功、ベスード郡は完全に守られた
2013年8月3日職員撮影

用水路内は、安定灌漑で一定量を送水し続ける。この水門ががなければ、ベスード郡の半分が浸水したところ
2013年8月3日職員撮影




この洪水のさなかでも、ジャララバード市内インド領事館付近の爆破事件。子供8名を含む十数名が死亡。自爆犯は3名。いずれも即死。これが「対テロ戦争」の結末なのだ。

もうたくさんだ。アフガン人同士を戦わせ、自分たちは引き上げる。私たちは他国の人々の死に慣れっこになってしまった。





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