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ミラーン堰、主要河道を開放
~カマ堰第三次改修を開始、マルワリードD沈砂池は工事終了~

平成27年12月9日 記

クナール河流域の各堰の水位変化。流量を現わすものではないが、水位の変動は取水設備にとって最重要点。各堰とも、理想的な水位は0.8(冬季)~1.5(夏期)メートル、7月と8月の異常高水位を除けば、安定的に推移している。ミラーン堰は、7月の洪水で土砂堆積が起き、ずっと工事中であった。

マルワリード堰(連続堰マルワリード側)の年比較水位。7月と8月の突発的高水位を除けば、昨年に比べ、更に安定している。特に低水位期の安定は、小麦収穫に大きな安心感を与える。通常、12月中旬~2月中旬は最低水位で安定、ほとんど変化しない。

これが堰体の最終的なレベルと砂州の位置です。砂州の高低は一様でなく、河道との境ははっきりしませんが、「低水位期のもの」と理解して間違いありません。取水門床面を「ゼロ点」としています。籠埋設は主に砂州3で行われています。河道②の砂吐きのレベルは、流量次第で変更があり得ます。水門を起点とした予想水位は、当てになりません。建設前の状態で堤防沿いの測量に基づいています。水量が安定してから再調査します。

各落差と傾斜は10月の工事中のもので、河川水位が安定してから再測量します。目安には成ります。

待ちに待った河道③Bの開放。締切りの長さは、ちょうど100m。砂州表面を傷めないように細心の注意。2015年12月9日

締切りを半分切り取った状態で、堰板を撤去して観察。水門を閉じた状態で水位は水門床面から約40㎝、砂吐きⅠの床面から90㎝。落差地点から流れが砂吐きに引き寄せられているのが観察される。2015年12月9日

砂吐きⅠを前面から見る。砂吐きの各溝の下流端は水深50㎝に満たず、まだまだゆとりがある。堰板を入れるとたちまち堰き上がって溢れる。これで冬の水量は十二分だ。2015年12月9日

鉄筋コンクリート製の階段。通称「大臣さまの階段」。本当は石を重ねれば済むのだが、竣工式などで来る政府高官が堰など目もくれず、取水口しか見ないためだ。働く者にとっては、最も苦労した作業を評価されない恨みがある。見かけで評価されては不本意。多少見栄を張って、薄化粧。2015年12月9日

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