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おなじみQ2貯水池(ガンベリ)からの眺め。緑はさらに深い。平和丘が樹木に覆われて見えなくなっている。異常少雨にもかかわらず、マルワリード用水路流域は安泰である。潅水量は年々減少して、今やシギ地方下流部まで途切れぬ流れが続く。潅水量減少は、土壌の水分が飽和状態になり、保水が良くなったためである。秋の気配。2016年10月25日

Q2貯水池の現在。用水路中最大で、長径約360m。浸透水は完全に制御され、排水溝設置を考える段階になった。2016年10月25日

用水路の向こうは沙漠であるが、次々と家ができている。「水か近い」というだけで、みな集まってくる。遊牧民は早くから定住していたが、そのさらに沙漠側に、パキスタンから送還された難民たちの小屋が増えている。現在、目で見た印象で、数百家族。2016年10月25日

ガンベリでの最近の話題の一つが、待ちに待った主幹排水路の開通である。既に大方の湿地はなくなったが、この先、開墾が進むと湿地が再発生する可能性があるからだ。特に、ガンベリ下流に当たるチュクレイ村は湿害に敏感になっていた。あと200mで劇的な効果が示される。

排水路作業風景。急流の通過する2mの高さまでは練り石積みで、あとは土留めが目的で籠を組む。こちらの方が早い。2016年10月25日

工事中の水道橋(シギ堰主幹水路)。とりあえずPVCパイプで送水している。高さ6m以上となり、旧水道橋を撤去、基礎を頑丈にして工事中。作業は機敏で、着工から一週間、工兵隊並みの速さ。ずっと湿地処理に携わってきた職員(石工)、カーヘルが指揮。2016年10月25日

旧沼地が消え、村落となっているが、どんなに掘削してもこれ以下の水位にならなかった。主幹排水路が200m延びれば、たちまち水位を下げ、不安はなくなる。主幹排水路始点から150m上流。2016年10月25日

チュクレイ村の耕作地の現在。沼沢地は消えているが、上記の地域と同様の状態。降雨があるとたちまち湿潤になる。ガンベリ開拓に最も強硬に反対していた村がここだ。排水路建設で最も潤う村で、耕地面積は数倍になる。

ガンベリからの排水路。開拓地の全ての排水路がここに集中するが、傾斜が足りず、淀んで芦原になっている。ガンベリ沙漠全体が平皿上に窪む地形で、このチュクレイ村を通る以外にルートがなかった。この先、開墾を進めれば排水の増加は避けられず、苦慮していたのだ。湿地処理を開始してから7年目にして、ようやく成る。旧村落も新村落も、こぞってこの日を待ちわびてきた。2016年10月25日

もう一つの話題は,ガンベリのPMS農場オレンジの結果。果樹として植えられた約25,000本のうち、半数の約12,000本が柑橘類だ。そのうちで最も力を入れてきたのがオレンジで、他の柑橘類の台木としても重要なものだった。最も早く植えられたものが2,000本(2011年)、5年目にして結果し始めている。2016年10月25日

まぎれもなくオレンジの実。一か月後には色づく。結果は全体の一割程度だが、もはや時間の問題と見られる。経験的に、あとは年々等比級数的に収穫が増えていく。2016年10月25日

ザボンの近似種。2年前から結果しているが、品質はもう一つ。枝ごとに大きさと糖度が異なる。現在、品質の良いものをつける枝を選別している。オレンジが大きくなれば、接ぎ木で収穫できる。2016年10月25日

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