Top» 事務局からのお知らせ» 掲載日:2025.9.6

アフガニスタン東部地震
9月2日のクナール州
被災地調査報告

PMS支援室長 藤田千代子
2025年9月5日記

PMS職員たちが調査に行った9月2日、ジャララバードでは終日救急車のサイレンが鳴り響き、ジャララバード空港から負傷者が病院へ搬送されている様子が伝わりました。PMS事務所隣の腎臓センターにも救急車が入りました。3日、4日になると救急車が激減し不思議に思いましたが、カブールへの搬送が始まったようです。

昨日から被災地へ向かう車両の調整が開始されています。強い気持ちを持った個人の支援者たちは徒歩で立ち入り被災地へ向かっています。また、ジャララバード空港から患者を病院へ搬入する救急車が、優先されるよう道路交通の調整が厳しく行われ一刻も早く病院へ到着するようにした警察に市民は感謝しています。

<調査地>クナール州のディワガル村、マザールダラ村
※二つの被災地に共通する状態
多くの家屋が倒壊し死傷者が多い被災地はバンダと呼ばれる高地に散在している。住民らが平地まで負傷者を担架で搬送している。ヘリによる救助も始まったが、険しい岩山は徒歩で向かわなければならないため支援が遅れている。

<調査状況(9月2日)>
ソウケイ郡ディワガル村
村の上流の集落では73人が地震で亡くなった。この村では、ほとんどの住民たちは家畜を連れて夏季に生活をする高地に住んでおり、この地震では高地の居住地が壊滅的な被害を受けた。ここから高地へは、人と家畜が通れるほどの細い道を徒歩で向かうが、急峻な山岳地のため救助はヘリに頼るしかない状態。被災地には軍隊がヘリによる救助活動をしている。また、テントや食糧も配給された。

ヌールガル郡マザールダラ村
国道から谷に入るが道路は狭く険しいので四輪駆動車が必要。車で行けるのは1時間半ほど走ったところまで。徒歩で上流に行ったところのワディールという集落の畑がヘリの離着場となっている。ここから被災地まで約6時間かかり、うち最後の3時間は道なき急峻な岩山を登らなければならない。ヘリ離着場から上流に向かっていると余震があり、崖崩れや落石が発生して避難すること数回。このような状況を繰り返しながら、岩山を登る寸前のところまで3時間歩き様子を観察した。

ここまでの間、いくつもの集落で家屋が半壊しているのを見た。ソウケイ郡ディワガル村と同様に住民たちは夏季のため高地に住んでおり、負傷者は村人たちによってヘリの発着所まで運ばれてきた。現在ヘリが高地で救助隊を降下させ支援が行われている。重傷者はクナール州の軍基地及びジャララバード空港へ搬送されている。

※PMSはクナール州の被災地では、徒歩で行ける限界まで調査を進め、一旦引き上げて対策を考えることにした。

※9月5日(金)、6日(土)に以下の再調査を行う
・最被災地であるマザールダラの奥地シェマシェットとアレドの集落
・ディワガル村の上流アンダラチャックカラとアミライカラの集落
・ダラエヌール上流スータン村、バンバコット村の再調査


▼マザールダラ村ワディール集落のトウモロコシ畑が発着場として使用されている

▼支援物資を受け取り自宅へ運ぶ家族



▼山道を徒歩で上流に向かうPMS職員たち(写真左)と個人で駆け付けた支援者たち