Top» 事務局からのお知らせ» 掲載日:2025.9.11

9月8日、支援物資の
配給を開始しました!

2025年9月9日 藤田PMS支援室長 報告

 PMSは9月5日、6日のクナール州の被災地調査に引き続き、7日、ナンガラハル州ダラエヌール郡のスータン、ワイガル、バンバコット、シェマール村の調査・支援物資の配給カードを配布した。

 4日、5日に再び地震が発生、それに続く余震により、PMSのダラエヌール診療所のやや上流のバンバコット村が被災、調査を終えていたスータン村は家屋が倒壊し、更に被害が大きくなり、十数名が死亡したと情報が届いていた。PMSは4チームを結成、総勢24名が各村に入り被災状況を調査し200家族に配給カードを配布、翌8日に支援物資を渡した。

配給が行なわれるダラエヌール郡庁舎の広場に私たちも同行し、村人の話を聞いたりした。支援物資の小麦粉、米、油を見た人は「直ぐに食べられる」「米を柔らかく煮て幼児に食べさせられる」と話し、砂糖があることを知った人は「これでお茶に砂糖を入れて飲める!」と喜んだ。PMSの職員たちが配給物資を選んだのにはこのような理由があったのだと、感心するばかりであった。

 4カ村の調査にあたった職員たちは、200家族への配給に達成感はあったものの、被災があまりにも大きく配給できなかった家族への想いと無力感を語った。配給カードを持たない人が遠くスータン村から配給所にきて「何日も続く地震に小さい子供たちも妻も怖がって夜は畑で寝ているが、昨夜は大雨が降り、テントもなく空腹と寒さに震え、皆が泣いていた。何とか助けてほしい」と窮状を訴えた。そうした村人たちに対して、定数の支援物資しか持たない私たちは胸を詰まらせながら対応をした。しかしお互いに落ち込んではいられない。まずは200家族が食べられて命を繋ぐことができた。まだ困っている人たちがいることを忘れずに彼らの無事を祈って、次の被災地への緊急の配給を進めようとみんなで想いを一致させた。

 ダラエヌールから事務所への帰り、荷台いっぱいにテントを積み込んだトラックとすれ違った。今夜も雨が降りそうなダラエヌールの被災者に届けられることを祈りながらジャララバードへ向かった。

 ダラエヌール郡で支援物資を配給した8日、他の2チームは次の支援物資の配給地であるクナール州ソウケイ郡の調査に入った。

▼被災箇所図
※アレク、シェマッシュの集落は山を挟んだ両谷に居住している。
※黄線は国道

▼スータン村
調査のため各村落の長たちに協力を求めるハフィズラー医師とワヒドゥラー灌漑技師。2025年9月7日

▼村落は斜面に張り付くように階段状に造られている。石を混ぜた土塀や屋根は崩れやすい。2025年9月7日

▼ワイガル村
調査を終えた被災者に配給カードを渡す準備をするファヒーム技師。2025年9月7日

▼住居の壁がすっかり崩壊した。2025年9月7日

▼シェマール村
支援物資の配給カードを受け取った村人に場所、時間等を説明するPMS職員のヨセフ検査技師とリドワヌッラー農業技師。2025年9月7日

▼山の斜面に張り付くように住居を構え、その周辺を開墾して狭い畑にトウモロコシなどを栽培し冬に備える。 2025年9月7日

▼支援物資の配給
配給所で重宝される手押し車。写真右の方から毛布、豆、茶、砂糖、米の順に渡され最後に食用油と小麦粉50キロが手際よく配給される。2025年9月8日

▼配給所に子どもが受取りに来ると、一瞬作業が停まり職員たちに事情を尋ねられる。2025年9月8日

▼配給所では村ごとに集合してもらい、順番に配給カードの番号が呼ばれる。
2025年9月8日