アフガンいのちの基金No.20
「 作られた派手な英雄なんてここにはいません」

現地連絡員 目黒 丞(すすむ)
2001年11月02日(金)

11月2日の朝のミーティングで、1家族当たりの配給量を従来の3か月分から6週分にすることに決定し、ペシャワール側は間断なく食糧を発送すること、ジャララバード側は一時備蓄し配給状況に応じてカブールに発送すること、最優先地域はカブールであることが確認された。

 午前中、中村先生は小麦粉の製粉所を視察された。2日午後遅く小麦粉を積んだトラック9台がジャララバードへ向けて出発した。今夜はトルハムまで移動し明朝に国境を越える予定。

 今回のトラックに同行したスタッフの中に、イクラームという若い医療スタッフがいました。空爆開始後にパキスタン人スタッフがアフガンに向かうのはこれが初めてです。先月半ばにジア副院長と供にカブールでの食糧配布のための調査をするスタッフを募ったとき、彼も志願しました。その時はパキスタン人には危険な状況と判断され、イクラムラ事務長が説得して引き留めました。日頃おとなしかった彼が「自分が行く」と言い張ったのには驚きました。

今日、雨の中で集合してくるトラックにペシャワール会の旗をつける彼は頼もしく見えました。作られた派手な英雄なんてここにはいません。その代わり芯の強い誠実なスタッフが活動を支えています。


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