アフガンいのちの基金No.4
「ペシャワール現地スタッフから」

藤田千代子
2001年10月21日(土)

 昨日(10月20日)は国境の町トルハムからトラックを無事にアフガン内に入国させた後に病院へ帰り着いた事務長とテレビのニュースを見ようとしていた所に、当日送り出した小麦粉と食用油を積んだトラックに載ってジャララバードヘ向かったドクターより電話連絡が入り、無事にジャララバードの事務所に着き、荷降ろしをしていると伝えられました。そのすぐ後にパキスタン国営放送のニュースが始まり、トルハム国境で「PESHAWAR KAI JAPAN MEDICAL SERVICE 、イムダッデー アフガニスタン (アフガニスタンの為の援助)」と書かれた垂れ幕をつけたトラックがパキスタンからアフガニスタンへ入る所が映りました。思わず万歳と声をあげ、ここ数日たくさんの手続きの為走りっぱなしの事務長におめでとうと言うと、たいへん満足そうな笑みを浮かべていました。ニュースが終わり、とにかく早く日本にも知らせなくてはと思い電話しました。

 中村先生より「一刻も早くたくさんの食糧をジャララバードとカブールの人達に届けるように」と指令を受けた病院では、蓮岡さんはジャララバードにいる井戸掘り部隊から肝要なスタッフをペシャワールへ集め会議を開き計画を練り、その傍ら事務長と製粉工場や製油工場を回り生産過程のチェック、トラックへの積み込み確認、会計担当の目黒さんは藤井さんや中山さんに協力してもらいながら銀行へ走りドルからルピーへの換金、業者への支払い、また現地の数名のドクターとナースは製粉所や製油所を回って品質と価格を調べ、事務関係スタッフは此処では珍しい残業をして、食糧配布時に使う数千枚のカードを作成、小麦粉袋にペシャワール会のしるしをつける為のスタンプ作成やトラックにつける垂れ幕を作成、副院長は、井戸掘りのスタッフと検査技師一人を連れて日に日に激しくなっているアメリカによる空爆と北部同盟の攻撃が今かと心配される状況にあるカーブルで食糧配布が可能かどうか調査に行き、それぞれが全力をあげて取り掛かっています。

 昨日(20日)カブールより電話があり食糧は配れるとの連絡が入っています。ジャララバードで副院長の連絡を待っていたドクターは、蓮岡さんがカブールでの家族調査と食糧配布の為に井戸掘り部隊から選び出してアレンジしたチーム(20名)を連れて今日(21日)カブールへ向かいました。事務長は製粉工場が今回注文した小麦粉17トラック分(約500トン)終了後は新価格で(値上げあり)注文を受けると言ってきた為に、一つの業者に注文が集中するのが良くない(アメリカもこの業者を使用)から他の業者も調査をしてみる方が良いと言い、今日は日曜日を返上してペシャワールからずいぶん離れている地区まで行き、数箇所の業者を当たり夜遅くに帰り着きました。あと2回トラックを送り出す迄に次の契約を取らなければなりません。

 副院長は「ペシャワール会から来たお金を1ルピーも無駄をしないように使う」と言いきり、事務長は絶対に大金を預かろうとはしません。会議の時機会をみてはペシャワール会が今どのようにして募金を集めようとしているかとか、中村先生が今日は何処そこへ講演に行ったとか話しています。もちろんどのような気持ちで多くの人が福岡の事務局に集まって作業をしているのかも話しますが最近はそんな事を話していると自分の方が先に感動して最後まで話せないときがあります。まだ始まったばかりのプログラムですが、こちらも皆で協力して何とかカーブル人達に食糧が届けられるように頑張ってみます。どうか皆さんにもそのようにお伝えください。そして夜間空爆の続くジャララバードやカブールで働くスタッフの安全を特別にお祈りください。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
No.3を読む  ○報告一覧へ○  No.5を読む
ホームへ 連絡先 入会案内