アフガンいのちの基金No.98
「ケシ栽培を巡る住民と政府の交渉」
2002年04月24日(水)

ソルフロッド、ロダット、アチン各郡で問題になっていた、ケシの刈り取りを実施する政府と住民との争いは、1ジェリブ(2000平方メートル)350ドルで概ねの合意が成立し、住民自身を使っての刈り取りが実施されている。また、最も対立が激しかったホギャニ郡では、収穫の半分を補償する特別な妥協案が政府から出され、住民がこれに合意した。

 現在住民達を使っての刈り取りがソルフロッド郡で行われている為、進行中だった20箇所中15箇所が作業を停止。アチン郡では政府の刈り取りが始まっていないが、住民達は収穫を急いで早朝と夕方に作業を行う為、井戸掘り作業は通常どおりに行なうことができず、全体の3割ほどは住民達の可能開始日を設定した上で一時停止状態。

 全体で、雨による小川が流れ、灌漑に利用されている風景を見るが、住民達が使用する飲料用水は未だ以前の状態で、数キロの道のりを徒歩で水を汲みに行っている。またアチン郡では帰還難民からの陳情が最近特に増えている。

 ダラエ・ピーチ、ダラエ・ワマの診療所建設にあたっているエンジニアが帰還。最初に建設予定のダラエ・ピーチ診療所の基礎工事の見積をし、24日よりエンジニアが現地に行き、現在進行中の地均しの様子を確認し作業を開始する予定。物品購入、支出管理はサルフラーズ氏より行われる。
水源確保計画責任者 蓮岡 修


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注記:ケシの栽培はそれまで禁止されていたが、タリバン崩壊直後よりアフガン全土に再開された。現政権もケシの栽培を禁止しているが、そのことを巡って住民と政府軍で戦闘行為もあり緊張していた。単位面積(1ジェリブ=2000u)当たりケシは60万円、小麦だと8000円の収入で、この背景には貧困問題が存在する。一応の話し合いができたことを報じている。

 ダラエ・ヌール、ダラエ・ピーチ、ダラエ・ワマの診療所に新しくスタッフハウスを増設したり、新しい診療所を建設することになり、中村先生が行って全てをスタートさせてきた。

ペシャワール会事務局


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