アフガンいのちの基金No.99
「井戸と診療所の建設について」

水源確保計画責任者 蓮岡 修
2002年05月20日(月)


アフガン東部では小麦の刈り取りが始まり、村々ではトラクターを使った脱穀機が勢い良く動いていて、去年には見られなかった収穫の活気がどこにいても伝わってくる。今年のような並みの収穫は3年ぶりとのこと。春先に降った雨が好影響を及ぼした。

 水源確保事業は場所により小麦の収穫時期が重なり、ソルフロッド郡の進行中井戸は約半分が中断状態。これらは収穫後再開される。ロダット郡での大まかな作業は完了し、4台のウォーターポンプと6インチボーリングを残しアチン郡の作業に合流予定。以前見られた住民間の問題も作業と水位の安定と共に解決したとのこと。

 アチン郡ではロヤジルガ選挙の投票権をめぐり、地主同士での戦闘が発生し数人の死者が出て、多少の緊張状態があったが、作業そのものには影響はなかった。現在、数を絞り込んだ作業地決定をしつつ、6インチボーリングを導入した作業を展開での合理化を試している。また60メートル以上の井戸が9本になり、防御板の強化、頑丈なヘルメットの使用、エンジニアの特別監視などを行い安全強化に努めている。最も深い井戸で70メートルに到達した。住民間で安全対策を協議し、井戸壁の補強などを実施した後2mだけ継続する予定。

 作業地全域では場所により異なるが、全体として徐々にではあるが水位の上昇が観測され、本格的な夏の到来を予感させる。

 ダラエ・ヌール、ピーチ、ワマの診療所の建設工事は問題なく進行中。ワマでは地均しが来週中に終わる予定。ピーチでは土台の土盛り、基礎工事が開始された。20日より連絡員が現地に向かい、作業連絡を行う予定。ジャララバード統合事務所建設工事は外壁が終わり、屋根部分の建設に取り掛かった。完成は2ヶ月後を予定。

 トルハム井戸は1本目の掘削工程が終わり、ケーシングパイプを挿入、ウォーターポンプも装着し、現在ポンプとエンジンを保管する倉庫を建設中。1週間後に完成予定。その後は政府によってパイプを使った配給が考えられているが、タンクについては検討中。政府の計画に委ねられる。現在2本目の掘削が国境手前200メートル付近の河よりの位置に開始された。



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