水路現場写真(2009年5月6日受取)


マドラサとモスク

マドラサは5月10日に開校と決まりました。現在シェイワのモスクで学んでいる児童は350名、シギ村300名です。何れも「学校」と呼べるものではなく、空き地を利用して行われています。大半が貧しい家庭の子弟や孤児ですが、裕福な家庭でも親が「しつけ」を求めて通わせることも普通です。宗教だけでなく、数学、ペルシャ語、地理、物理なども教科に入っています。山村部ではこのマドラサが、村の教育の主役を担っています。


開校に備え、内装を急ぐ教室。5月5日




現地は6月から3ヶ月間、長い夏休みに入ります。一方、工事は主な建築を終えましたが、小さな仕事がたくさん残っており何カ月もかかります。マドラサに通う子供が毎日、建築中の教室やモスクを楽しみに見学に来ます。そこで、「校舎部分の内装を優先的に完了し、子供を喜ばせよう」と、父兄やムッラー(僧侶)から提案があり、当方も「春分の日開校」が遅れたこともあって、間もなく開校します。

モスク部分については、現在内装が始まったばかりですが、大きな工事は完了しました。ずいぶんと工夫を凝らした礼拝堂のドームは、5月4日、型枠を完全に取り外し、美しい光が薄暗かった建物内部を照らしました。ドームは、電気のない農村で「明り取り」の役目を果たします。作る側としては、固唾をのむ瞬間です。

小生は他のモスクを真似ただけで、現地の伝統様式を我流で堅牢なものに仕上げただけでした。それが驚くことに、良くできているのです。暗すぎず明るすぎず、堂内に満遍なく光が行き渡ります。音響効果も満点、窓を上下に開くように取り付けると、すぐれた換気孔ともなります。ドームの外装のタイル張りについては、事務局のみなさんをお騒がせした通りです。



ゴンバズの内側と外側。いずれも工事中。5月5日


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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