水路現場写真(2009年10月3日受取)



事務局のみなさん

お元気ですか。到着その日から再び様々の懸案が待っていました。
 目下の仕事は、

1) ガンベリ岩盤周りの浸透水処理
2) ガンベリ沙漠横断水路の自然流路の保持
3) 湿地帯の処理
4) シギ村周辺の湿害対策
5) マドラサのモスクの完成
6) ジャララバード事務所の敷地内に小さな診療所建設
7) 自立定着村の居住地建設

今回の土石流は想像を超える規模でしたが、19km地点までは大した被害があっていません。大きな土木工事は、1の浸透水処理、4の湿害対策だけです。冬季の渇水状態によっては、隣接する取水口の改修があり得ますが、これも年々安定してきており、大工事は考えられません。
 マドラサは既に500名の学童が新校舎で学んでおり、残るはモスクの内装・外装だけです。

 例によって、週間報告を送りますので、みなさんでお楽しみください。広く現場の実情を生の声で伝え、知らしめるのが大きな励みにもなり、前線と日本国内との、運命的な認識の差を埋めることにもなろうかと思います。
 日本から見れば「危険地帯」なのでしょうが、ジャララバード周辺は殆んど奇跡的と言えるほど比較的安定しており、ペシャワールやカブールとは別世界です。
 とはいえ、アフガン全土で、これまでになく治安が悪化しており、用心に用心を重ねて仕事をしているので、御安心ください。


内装・外装がすすむモスク(10月3日)。幅20mの参道の造成。幅広いレンガだたみで、両側に並木が植えられる。最終的な収容人員数は700名、完成すればシェイワ郡全体から1,200名が集まり、ベランダや参道でも礼拝できる



校舎とモスクを背面から見る



ガンベリ沙漠の開拓団居住区。各戸は約227坪(750㎡)。六戸ごとに2本の井戸。集落の長さは約1kmの長い村。手のかかる礎石は終わり、壁の造成が始まった



砂防林のガズの成長。枯れ枝に見えていたが、乾燥に対する強さは絶大。5ヶ月で1.5mに成長。林を隔て、右手はガンベリ沙漠の自然土石流。左手はPMS耕作地



始まったガンベリ沙漠の開墾。植えられているのは季節外れのトウモロコシだが、小麦の播種(11月下旬)まで100ヘクタールの開墾を目指している


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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