受信日:2010年01月15日



事務局のみなさん、

1月も中旬となりました。あと3週間で「完工式」を迎えます。そのため主力をガンベリ沙漠に集中し、水路沿いの整備を急いでいます。しかし、現在かかえている工事はどれをとっても小さいものではありません。


1) マドラサのモスクは最終段階。寮・運動場の整地、排水設備、床面仕上げを2週間で終えます。

2) 植樹は、推定12~16kmにわたって、ヤナギ、クワ、オリーブ、ユーカリ、ガズ、ビエラを移植中。

3) 用水路は難攻不落のQ岩盤地帯を制し、現在最後のドレーン工(浸透水処理)を施工中。主要排水路は一時中断、橋梁を建設した後に最終工事。

4) ガンベリ沙漠の主要分水路建設と試験農場の開拓。去る1月7日にシャフタル(アルファルファ原種)と菜種を20ヘクタールにわたって播種した。発芽を確認したものの、夜は氷が張るほど気温が下がり、発育が遅い。

5) カマ郡第一取水堰の改修と、第二取水堰の完成。着工から17日、渇水状態は解消したが、洪水に耐えるものにするには、あと最低1カ月はかかる。「カマ用水路取水堰は誰も成功しない」との神話は覆された。

6) 湿害地の回復のための排水路整備。12月30日現在で、小さな水路網を入れると、16,944m(約17㎞)が掘られ、クナデイ村の一部を残して、湿地は消滅した。その面積約450ヘクタール、シェイワ村落群の約40%に相当する。現在、橋・道路を整備し、浚渫作業を容易にし、小さな水利設備を作れるよう努力が続けられている。帰還した自作農たちが、一部に耕作・整地を始めている。


 現場から現場を移動するだけで、半日があっという間に過ぎてしまいます。全体に見ると、用水路建設と干拓事業(湿地帯処理)を一緒に進めているようなもので、忙しいのも無理はないと思います。外国軍も忙しそうですが、当方はもっと働いていると思います。
 あと一息です。みなさんの協力に感謝します。


自然石と蛇篭のアート。アフガン農民はともかく石が好きだ。基本設計はこちらが示したが、口径1,000mmのRCCパイプを廃物利用し、1週間で橋をかけてしまった。蛇篭をサンドイッチにして赤土混じりの砂利を詰め、非常に強靭である。
1月14日、S1(ガンベリ沙漠横断水路の始点水門)緊急排水路。



ガンベリ沙漠は今、遊牧民たちのメッカとなっている。クナール州は戦乱、スピンガル山麓を初め、至る所で草地が消滅。続々と集まる。1月12日、S3貯水池(平和丘のふもと)。洪水路なので設計を変え、貯水池を置かぬつもりだったが、動物たちの水場にとっておくことにした。動物の群は壮観でも、
他地域の不幸を考えると喜んでいいのか分からない。