受信日:2010年01月22日



事務局のみなさん、

 工事は山場を越えかけています。現在、最大の工事はカマ取水口建設と浸透水処理です。
 その他に、排水路の整備、マドラサ寮の整地・基礎、植樹、開墾作業などがあります。特に植樹は膨大な地域をカバーするので、数カ月、数年の単位で焦らずにやるべきだと思います。
 焦眉の急はカマ取水堰の建設で、カマ郡7,000ヘクタールが失われるとジャララバードは大混乱となります。堰の「適正技術」は、この6年間で我流ながら確立されているものの、時間的制約の中で、相当な物量と人員が要ります。年末募金を気にしていたのは、主にカマ取水堰のためでした。
 いつまでも使えるように、完璧を期してやります。カマ取水口の詳細は明日送ります。


Q区域(ガンベリ沙漠岩盤周り工事)築堤の最終工事。盛土量は約18万立米で、F・G区の70,000立米の2倍以上、記録を更新した。浸透水処理工事(ドレーン工)が1週間で終了する。写真はQ2貯水池の最下段の造成。同池の浸透損失は10%以下で、ほぼ満足できる状態。損失量は、区域先端と末端の流量を測定して割り出す。植樹班の仕事は膨大。堤のふもとは植樹して公園兼遊水池に変え、
集めた浸透水は灌漑用に使う。左手は洪水路。(1月20日)



Q3貯水池。左手に平和丘。満水から1ヶ月。浸透損失は5%以下。ほぼ安定した。沙漠を背後に、何だか不思議な光景(1月21日)。1年後が待ち遠しい。



Q3池の周囲に植樹する作業員。池の水の青さが印象的。何だか南海のサンゴ礁のような…。アルカリ性に傾く水は、特に青く見えるそうだ。しかし、11もの貯水池を経てたどり着くので、ガンベリ沙漠にくる頃には相当泥土が沈殿して
綺麗になるのだろう。水深は約6m。(1月20日)



ガンベリ沙漠・第一農場の育苗場。水が途切れなく流れるようになってから、遠くなっていた育苗場を移転している。向こうに見える丘までが第一農場で、
やはり大きい。(1月21日)



モスク参道の植樹。両脇に糸杉に似た「サブル」という木を植えると、
なかなかそれらしくなってきた。モスクは1月以内に完工する。(1月20日)



モスク正面玄関。左手に井戸を設置したが、ダラエヌール全体の地下水が下降して枯れてしまった。6m掘り進んだが水は出ない。めでたい完工式の前だが、
旱魃を考えると、うそ寒くなる。用水路の存在が更に大きく思える。(1月20日)


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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