受信日:2010年02月18日


水路、マドラサ費用と用水路の灌漑面積


ペシャワール会事務局のみなさん、

 完工式も無事に終わり、みなさんお疲れさまでした。2月10日のカマ地区シューラ(長老会)のお祝いも、質素でしたが心温まるものがありました。列席者80名全員が村長さんたちでした。
行政側からは州の灌漑局長が出席して喜びを共にしました。同地区で帰農した人数は誇張されがちですが、正確には20万人(家族最低10名で推測)を超える数だと思います。
 灌漑面積は杉山くんの作成した地図のお陰で正確に割り出せるようになりました。衛星地図では正確にできませんでした。どうも、御苦労さまでした。


●直接灌漑される面積は3,165ha (地図参照)

●間接的に潤される田畑の総面積515ha (これまで夏の洪水時だけトウモロコシだったが、二毛作など、年間を通じて常に作付けができる地域。なお、「灌漑可能面積・子麦9,700ヘクタール」とは、土地があればの話です。ちなみに、水稲作付けは小麦の4~5倍の水量で計算してます。)

●用水路建設費用は約14億円;14,623,000米ドル (2010年1月末。年度別表参照)

●マドラサとモスク建設費は約7千万円;715,871米ドル (2010年1月末。年度別表参照)

●マドラサとモスクの日雇い作業員;のべ50,250人(2010年1月末。)

●建設に要したレンガ数;マドラサに899,600個、モスクに103,700個(計1,003,300個)です。

●ちなみに、シェイワ郡は全体で約4,000ヘクタールで、昔の取水口の灌漑面積よりも多くなっています。面積上はガンベリ沙漠が耕地化すること、実生産量は灌漑水量の増加で、以前の5倍以上増加と見ています。


カマ取水口の改修工事を以って、PMSの大きな土木工事は3月で終わり、来年度からはガンベリ沙漠開墾(農業)とハンセン病診療が前面に出てきて、水路は「維持・補修期」となります。
直接灌漑面積が増えたのは、主に湿害処理で農地を回復したことが影響しています。


500m毎に刻んだ用水路と灌漑地


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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