受信日:2010年07月02日



事務局のみなさん、

暑い日が続きますが、お元気ですか。
今週はとりあえず植樹の経過です。
スイカの方は、一日おきに2~3トンが収穫され、州知事、灌漑局などあちこちに贈り、作業員たちに与えていますが、それでも食べきれません。小生も毎日三度三度食べていて、さすがに食傷気味でいます。なお、総合評価では日本種が圧勝です。パキスタン種(タルナーブ)が肩を並べていますが、大きすぎるのが難点(出荷しにくい)だそうです。


先日の「沙漠で田植え」は、嬉しい衝撃だったようで、何よりでした。しかし、開墾事業は容易ではなく、砂防林の世話、灌漑・排水網の整備など、膨大な仕事が残っています。200ヘクタールは東京ドームに直すと、43個分で、相当な時間と努力を覚悟した方がよいと思います。また、全く遮蔽物のない炎天下はコメやムギも弱りがちです。植樹で木陰を作って陽射しを和らげる作業も欠かせません。このため、樹木の育苗場に力を入れています。



3月に移植したポプラ苗は4,000本、3カ月で1m以上に成長。早期に陰を作るには優れた木だ。2年ほどで建材に使える。第Ⅰ農場。6月28日。



Q2貯水池は、うっすらと緑のふちどりが出来ている。水際がヤナギ、
少し離れてクワ、崖側は高いところまでユーカリ。2010年6月28日。



 Q2外法のドレーン工。浸透量は著しく減っていて、もはや決壊や湿害の心配は
ない。浸透水は集められて灌漑に使われる。また、飲料水としては、井戸水以上にうまいので、みな遠くからわざわさ汲みに来る。法止め工に植えたヤナギの繁殖が旺盛で、挿し木から4ヶ月とは思えない。2010年6月28日。



ドレーン工の末端は「泉」として人気を集めている。飲んで回ったが、
この湧水が一番冷たくて美味しい。井戸のある民家の者も、ここに汲みに来る。
2010年6月28日。



Q3貯水池も、沙漠と水のコントラストを見せる絶景である。2010年6月28日。



造成後一年半を経過したO貯水池。水辺がヤナギ、崖側がユーカリで、
このパターンが定着した。このように洪水が来るところは、
樹木の成長が著しく早い。 2010年6月28日。



成長する砂防林。ガズの林。植樹後一年半。砂嵐を考えると、「早く大きくなれ、早く大きくなれ」と言いたいが、ここは我慢の一手。計5㎞は水遣りの手間が大変だ。
木も子供も、大きくなるには手間を惜しんではならない。惜しむとたちまち枯れる。2010年6月29日。



ガズの花。ガズは紅柳というそうだ。こんなに花が赤いのは珍しいが、
「紅柳」という名に納得。一般に水辺では矮小になり、乾燥地の方が発育が早く、
見上げる大木となる。カマ取水口付近。2010年6月27日。


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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