事務局のみなさん、
お疲れさまです。週間報告です。
理解に役立つ地図も添付します。
今週の大きな動きは、何といってもカマ郡の工事です。取水口I・堰の改修、取水口II新設・堰改修・主幹水路(1㎞)新設、調節門新設、対岸の低水位護岸(約2㎞)は、来春三月の「全面完成」を期して、本格的な工事が始まりました。10月4日、クナール河の水が更に低下、工事時期の到来と判断、全精力を傾け始めました。
投入される重機は、掘削機6、ローダー1、舗装用ローラー2、ダンプカー30台です。来春2月末には河の水位が上がり始めるので、工事は不可能となります。この4~5カ月で全てが決します。カマ長老会(シューラ)の並々ならぬ異例の決定(冬小麦の栽培を1シーズン分駄目にして協力)は、先にお知らせしたとおりです。堤防の方は、ガンベリ沙漠岩盤周り貯水池の経験から、技術的には楽観的に思えますが、赤土や石材の採取場所が離れていて、輸送が成否の要となります。短期決戦ですから、場合によっては更にダンプカー、積み込み用の重機を動員します。
公的筋との協力協議は進行中ですが、やはり自然は人を待ってくれません。これまた異例の好意的な対応にもかかわらず、やはり新しい試みというのは時間と忍耐が要ります。かくて予期せぬ大洪水以来、異例ずくめのスタートでしたが、ここはやむを得なかったと思います。人々の生命と生活を優先すべきです。
他方政情は奇々怪々、どんな動きが出てもおかしくない状態です。今冬の仕事が将来を決します。毎年、同じセリフを繰り返してきたので、「またか」と思われましょうが、ご理解のほどをお願い申し上げます。
日本の方々には、募金活動の上でまたまた大変な負担をかけることになりましたが、ご協力を宜しくお願いします。カマ郡30万農民の悲願と誠意に応え、力を合わせて、難局を切り抜けたいと思います。







下画像が、今回の報告メール冒頭の“添付”されていた地図です。

★Dr.T.Nakamura★ 中村 哲
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