受信日:2011年2月5日


事務局のみなさん、

続きです。 今回の報告でほぼ、取水技術の紹介ができたと思います。

 ガンベリ沙漠開拓、排水路建設、有機農業の完全実施、などなど、仕事はまだまだ続きますが、カマ取水口完工を以って、私たちの活動が頂点に立ったと考えて良いと思います。
次の便りで、最終的な設計を送ります。
護岸は思ったより手ごわく、今夏は非常待機をせざるを得ないでしょう。
増水のピークを5月中下旬と見ています。
平成23年2月4日



調節門で堰板水門とスライド式水門を併用して「自動浚渫」する仕組みは、
PMSの独自開発ではない。実はネタがあって、日本の無名の人々の着想による。
写真左;カマ第二調節門。水門位置を水路レベルより60cm低い位置に起き、底水を流す。
送水門は堰板で上澄みを流す。最近の溜池樋門と同じ原理。
写真右;福岡県矢部川流域で見られたもの。
堰板とスライド式門を併用して使い分けている。(2004年8月瀬高町)
日本で多く見られる溜池の樋門は、池底をくぐらせて排水するのが普通である。だが、
アフガニスタンではコスト面でも向いてないし、施工がしっかりしてないとコンクリート管と土の間に
水の道が発生して危険である。カマの調節門では、万一の場合、緊急で毎秒20トン以上
(水位1.5m)を排水できる。取水量を一定にして、ある程度を常に排出していれば、
浚渫を水がやってくれる。




 しばらく現場で忙しく、連絡できないかもしれませんが、次回はめでたく完工の様子を伝えます。
 カマ取水口建設は、小生にとっては最良の日々でありました。みなさんの協力に感謝します。
★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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