受信日:2011年4月29日


事務局のみなさん、

 植樹シリーズは、多事のためしばらく中断です。
4月最後の報告で、再開は6月下旬です。
明日マドラサ寮の譲渡式がありますが、その後にまとまった報告を提出します。
時代が変わってきて、最近では地域の人々も外国人の目を恐れなくなり、胸を張って喜びます。
アラブ系を除けば、マドラサを建てたのは、PMSが外国NGOとして最初だそうです。

 数日前、村同士の衝突寸前で惨劇を阻止できたのは、マドラサ=モスクが少なからぬ役割を果たしたと思っています。軍閥の中でも、やはり指導層が敬虔なイスラム教徒の場合、積極的に仲介役を買って出ます。
PMSはあらゆる勢力と中立を保っていますが、今回は昔からの強力な軍閥司令官の力が大きく、ガンベリ開拓で協力したいきさつもあり、やはり、アフガンにはアフガンのルールがあるのだと思いました。
「侵さず、侵させず」が、ここで生き延びる道だと改めて思いました。  

平成23年4月29日


麦刈り風景。今年は大豊作。カマ、ガンベリ、シギの麦畑の復活または開拓が大きな要因。ジャララバードの小麦価格下落は本当だった。今年の作付けは35ヘクタールで、職員百数十名の全家族を養える。自分たちの食べ物と思えば、職員の手に力が入る。
ガンベリ第一農場(C区域)2011年4月25日



数日前から気温が更に上がり、猛烈な増水。カマ第二堰では水門前の水位が約2.2m、しかし、
カマ第一堰では1.05m、中の島全体が「堰」で幅広く落ちるからだ。まもなく増水のピークになる。
昨年並みの洪水なら大丈夫なように改修したが、それ以上は・・・・ 緊迫して見守る。
2011年4月28日



第二堰を越える豪流。3回目の夏を迎え、やはり手に汗握る。
設計・施工監督者は同じであるべきだ。こんなものは計算もできないし、臨機応変の処置が要る。誤れば数十万人が食い詰める自然との境界域なのだ。水面下の巨石の状態を一個一個
思い浮かべる。2011年4月28日



第二堰取水門を下流側から。これが全部水路内に入ったら・・・・。先週まで「水をもっと流せ」と来ていたカマ村長連は、さすがに黙っている。これまでとは異なる取水方式なので、いくら言葉で説明しても分からなかった。現在の送水量は第一水門と併せて、約100万トン。稲作でも充分な量。2011年4月28日



★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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