事務局のみなさん、
暑くて目まぐるしい日々が続きますが、元気です。
今度は突然、渇水が至る所で起き、てんてこ舞いです。
ここまでいろいろとありますと、もう言うことがなくなってきました。
今年も、厳しい年になりそうです。
いやはや、極端な所です。先週まで洪水を心配し、ベスード護岸の突貫工事態勢をとったところ、今週はあちこちで渇水が起き始めました。それも、例年なら最も水量が多い7月初旬です。PMSの工事現場付近だけで、軒並み渇水に見舞われ、今度は一時堰き上げに奔走しています。
ジャララバード市内では、地下水の異常下降が観察され、カブール河沿いでさえ2~3m以上、この2週間で下がっています。
ちょうど準備工事が始まったばかりのカブール河側のベスード取水口、かさ上げ工事中のベスード護岸(クナール河側)は、突然やってきた渇水で皆が動揺しています。PMSが手がけたマルワリード、カマの取水口だけが悠然と水を湛え、おかげで取水技術の優秀さが知れるところとなったものの、手放しで喜べる話ではありません。
今秋本工事を予定しているカブール河側のベスード取水口は、一週間前から急激に水量が落ち始め、7月2日までに上流側の用水路が干上がり、下流側も数日前から半分以下に水が減りました。今年は異常な少雨です。この3ヵ月間で雨らしい雨は一日だけでした。ガンベリ沙漠の鉄砲水は、まさかと思うくらい限局したもので、ナンガラハル州・クナール州・ラグマン州共に、渇水が続いています。カブール河の水量は、本流がとっくの昔に枯れ川となり、パンジシェール渓谷やラグマン(ケシュマンド山麓)などの支流から流れてくるものが主でしたが、何れも激減しているそうです。
今までも、7月・8月に仮堰き上げをしたことはありますが、ここまで広範囲でいちどきに下降したのは初めてです。それでも、PMSの工事現場付近で起きた所は、吾々が努力するだけまだマシだと言わねばなりません。水稲の植付けはあちこちで影響が出るでありましょう。また、地域によっては、飲料水にも事欠く有様です。
当方としては「誰でもいいから、この状態を何とかしてくれ」と言いたいところ。水利施設どころか、外で見かける外国団体は、宿舎のお隣にあるICRC(国際赤十字委員会)くらいのものです。灌漑局長を除けば、行政の役人さえ恐れて外出しません。ここに至って、「治安権限移譲」とは白々しい話。退却を「転進」に、敗戦を「終戦」に言い換えたのと同じレベル、気持ちは分かるが、せめて建設的なものを残せば恨みも減ったろうにと思う日々であります。
ベスード取水口工事の交通路は、やっと来週中にめどが付きそうです。先ずは仮工事で堰き上げを助け、秋の本工事に向けて準備を本格化させます。暑い日々が続きますが、みなさんもお元気で。
平成23年7月8日
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2011年7月6日