事務局のみなさん、
お疲れさまです。
お彼岸になり、夜は肌寒いことがあります。仕事は予定通り滑り出し始めました。今年も河川工事が目白押しで、青息吐息になりそうですが、何とかやります。今冬の標的はベスード第一取水堰で、準備工事を今月に終え、10月から本格攻勢となります。ベスードについては、次回詳しくお伝えします。
ご協力に感謝です。
現地に戻ってから一週間が経ちました。この間、暑さが突然下火となり、明け方は少し冷えます。
相変わらず争いが続いています。先日暗殺されたラバニ元大統領は、ペシャワール時代(ジャミアテ・イスラム党首時代)に何度か会ったことがあります。「古き良きアフガン」を体現するような風貌、敵を作らない温厚な紳士でした。これで混乱が更に複雑化する可能性があります。心ない暴力の応酬に、人々はうんざりしています。
この件は、PMSにとっても「更に不透明な新局面」と認識され、来年度の継続の可否をも念頭に、注意して情勢を追いたいと思います。作業地付近の一連の出来事とも併せ、「来たるべき日が近づいた」と感じています。しかし来春まで尚早な判断は禁物。当面の相手は河、人間界の理屈が通らぬ自然の世界。それに合わせて動く努力しかできません。渇水期を目前に力を尽くしたいと存じます。
今秋から来春にかけて行うべき仕事は以下の通り。
- ベスード第一取水堰と主幹用水路の完成
- ベスード護岸の完成
- カマ取水堰の小さな補修
- マルワリード取水堰改修(仕上げ)
- シェイワ取水堰の河道回復
- ガンベリ沙漠開拓
- 平和ヶ丘給水塔(防砂林の拡大造成のため)
- 浸透水処理(排水路整備)
- 試験農場給水路増設
- シギ村への送水路
以上です。
河川工事は昨年ほどではありませんが、やはり広大な戦線です。今秋の最大の標的は、何と言っても「ベスード第一取水堰」です。7月からの準備工事を9月中に終え、10月早々、本工事に入ります。他は昨年度の仕上げと考えて差し支えありません。現場を長く空けたツケか、現地は数回の集中豪雨に見舞われ、留守部隊の苦労は並大抵でなかったようです。
シェイワ取水堰については、ひどい状態になっていました。いずれ詳細を報告します。これが多くのアフガン農村の現状を示すものだからです。
作業地で治安が最も安定しているのはカマ郡で、不安定なのがシェイワ郡、ガンベリ沙漠は平穏で、ほぼ安全に仕事が進んでいます。
最も慎重を要するのがマルワリード取水堰ですが、昨年のいきさつもあるので、川の水が下がり、寒さが訪れる時期に、一挙に残余工事を終えたいと考えています。
日本も大変な時期ですが、今度ばかりは観念し、「万一」を念頭に、有終の美を飾るつもりで臨みたいと思います。ご協力を宜しくお願い申し上げます。
2011年9月22日