受信日:2011年12月5日






第二試験農場。落花生の収穫。昨年、「化学肥料はいかん。ともかくマメ科の作物を植える」と、窒素肥料を禁止して有機肥料の優先を主張、一年目の新開地にことごとくマメを植えさせた。その一つが落花生で、小生の好物であったから、0.5ヘクタールに育てた。すると、採れる採れる、職員が店で買う必要がなくなった。それが、半ば雑草化して自生、しかも二年目の方が大粒で味が良いのだ。忙中閑あり、掘り出して家に持ち帰る。
2011年11月28日



第一農場。マメ科の一種、シャフタル(アルファルファ原種)。これは緑肥としてすきこむ。砂漠気候にもめっぽう強い。この他、変わったところでは、レンゲの最後の試みをしている。発芽期にアリがもっていくことを村井くんが発見した。今まで根付かなかった原因の一つであることは確実。少し大きくなるまで監視すれば、あるいは・・・。今年の楽しみの一つ。
2011年11月28日



2年半を経過したガンベリ沙漠横断水路。砂嵐の中、水なし地獄をついて建設した悲壮な光景は、既にない。二回の洪水、砂嵐の季節を経て、3.5㎞を苦労して守った。もはや安定した灌漑ができ、新開地1000ヘクタールの開墾を約束する。悪漢は沙漠に用がないらしく、昼間の治安は、ナンガラハル州で最も安定した場所。
2011年11月28日



広がる防砂林。今春の砂嵐被害で深刻な打撃をうけたPMSは、狂ったように植林活動を拡大した。主役はガズ(紅柳)で、成長がめざましい。問題は4㎞にわたる水やりで、活着までの数年間ケアが必要。給水塔を建設し、植樹用の小水路を作り、まだまだ忙しい。来年度は何とか100万本達成を祝おうと、必死の作業が続く。
2011年11月28日



樹木の成長は毎日見ていると分からないが、月日を重ねると目を見張る。2009年冬の植樹は、2年半を経過して写真の通り。人の背丈の約3倍で、 5~6メートル。現地では12月からが植樹シーズン。今からが勝負時。
2011年11月28日



初冬のガンベリ。おなじみQ3大池からの眺望。緑が確実に広がって、沙漠は人里となっている。
2011年11月28日



第二試験農場の排水路建設。農場と言っても200ヘクタール、耕作可能地はまだ40ヘクタール前後。二年を経て排水路の重要性を知り、改修工事が進んでいる。これまで手掛けてきた湿害地処理のおかげで大切さが分かり、将来に向けて本格的な工事となった。これがないと、分水路を引けない。農場の末端1.3㎞の工事は用水路に勝るとも劣らぬ規模となった。
2011年11月28日



すさぶ冬の世にも陽だまりあり。アフガン人は風流人が多く、花が好きだ。ガンベリ沙漠を花園にする夢を持つ職員が少なくない。
2011年11月28日


★Dr.T.Nakamura★
中村 哲


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