シェイワ取水口、PMS管理下へ
河道回復を終了し、「湿害」をめぐる政治的動きを牽制
ベスード第一堰・護岸工事は最終段階へ
異常な少雨が続いています。クナール・カブール両河川とも水位低下、これまでの最低記録を更新しています。このため、シェイワ郡シギ地域がひどい渇水に陥り、全力を傾けたのは先の報告の通りです。治安上、PMSの活動は今でこそ必要とはいえ、慎重に事を進めています。
以下、今週の動きです。
- ジャリババ洪水通過路;構造物(暗渠36m)の建設を終了。背面20~30mにわたって巨石を敷き詰める工事を開始。
- カシコート河道回復工事;治安情勢と財政に鑑み、今年度は短絡路で破壊地点へかかる流水圧を減殺するにとどめる方針を決定。主力をガンベリ沙漠までの安全地帯に後退。
- ベスード第一取水堰;取水設備(水門、主幹水路、分水路、排水門ら)をほぼ完了。12月25日までに、排水路約500m、取水堰の最後の工事を確実に完了できる。
- ベスード護岸;調査の結果、開始点から2000m地点に中規模の取水門を置き、下手数ケ村の灌漑を図るのが最善。ただし、最終的な水位は一年を過ぎないと決定できない。
低い位置でレベルをとって造成しておき、とりあえず一年間をしのぎ、改修工事で仕上げる。このため、ドレーン工を兼ねた側溝を約700mにわたって設置中。
- シェイワ取水堰;機械力を集中し、河道回復工事に全力をあげた。この結果、12月16日までにシェイワ・シギの双方に大量送水が可能となった。
湿害の元凶であったシェイワ取水口は、再びPMS管理下に置かれた。同水門は、土砂が著しく堆積して荒廃、取水量調整機能が殆ど行われていなかった。
住民にとって新しいシステムを導入する場合、一定期間、寄り添った指導と共同作業が必要である。シェイワの湿害例はPMSの反省点で、今後に生かされる。
- その他;12月13日、UNAMA(国連アフガン救援委員会)の主催で、外国軍と民間との間で初会合が開かれた。
PMSとしては、改めて中立堅持と事業継続を表明した。
間もなく植樹が始まる。水量管理は5年間行うので、少しずつ整備できる。「それどころか」という意見もあろうが、殺伐な世情にちょっぴり楽しみがあっても良いはず。
2011年12月15日