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カシコート予備工事、最難関を越える
~ここ一ヶ月の工事が山~

2月20日、遂にカシコート側の主要河道が閉塞され、河道は完全に変わりました。現在、中洲とカシコートをつなぐ交通路を建設中です。実はこれが最難関で、ひとまずの危機的事態は回避しました。
工事宣言から2週間、実工事日数12日でした。多少の増水には耐えます。10月からコツコツと進めていた掘削がものを言ったのです。

しかし、3月中旬以降、急激に水位が上がると、ひとたまりもありません。間髪をいれず礫石で旧主要河道を埋め立て、予定護岸線の脆弱部に巨石を敷いて根固め工をやります。4月中旬はもう不可能だと思います。

「3週間の限定作戦」という触れ込みでしたが、埋め立てに使う掘削砂州の河床材料(巨礫)が表層だけで、もろい砂質土が多いこと、壊れた堤防の調査で根固め工が施されていないことが予想外で、愕然としました。
「4月初旬には危険になる」との判断です。ここは、もうひと踏ん張りし、十分なゆとりを以て対処すべきだと思います。問題は、物量調達です。それ以後は、工事そのものが不可能となります。

詳細は追って詳しく報告します。

平成23年2月21日 記

河道変化の様子を下流側から見る。現在ショートカットがクナール河の全水量を流し、旧主要河道(左岸カシコート側)は完全に流れが途絶えた。秋に向けた予備工事は山を越えつつある。右岸に移された流れは、さらに拡大されると、まだまだ水位を下げる。2012年2月21日

主要河道の締切り地点。仮締切なので更に強化して埋め立てる。問題はこれからだ。水を干すと、見えなかった川床がくっきり浮かび上がる。

対岸カシコート側との交通路敷設。静水なので、あっという間に終わる。右正面が洪水の溢れた地点。他外国団体によって造られた締切り堤の高さは問題がなかったが、根固めを省いて巨礫を表法に張りつけただけのもの。そのため、下部が洗掘されて上部が崩落、低くなった地点から洪水が村に流入したらしい。主幹水路は、200mにわたって洗掘され、消滅している。埋め立てと強靭な低水敷き護岸(根固め工)を施せば、秋までもつ。

しめきり直前の対岸処置。もう手慣れた片側からの堰。対岸に蛇籠列をしいて砂州側から押しつぶす。人海戦術で蛇籠列を組む。見慣れた光景。片側からの堰や締め切りは、これ以外に方法がない。だが、これで失敗することは最近ない。
2012年2月20日

堰が縮められると、激しい流れが生じ、下が洗掘されて籠が対岸の固い壁となる。急流が近づくと、ねじれながら落ち、目的を達する。

巨礫の谷は、作業現場から1.5㎞の距離で、輸送は効率的だ。一同、大喜び。

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