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魔の河道③。
復旧砂州の右岸側は全水量の30~40%が流れ、砂州を回復しても再洗掘で流失は明らか。島の基礎を巨礫や籠で根気よく作りながら拡大する。
完成後には見えなくなるが、おそらくここが最大の物量と工夫を要する場所。激流を背に作業員は黙々と仕事を進める。
2011年11月7日

河道③の上流部。
流失砂州の辺縁が残り、マルワリード側へ連続する「自然の堰」となっている。しかし、年々崩壊するのは明らか。
河道が深く、マルワリード堰側より低い河道③に流下、辺縁を崩しているのが分かる。この水量を左岸カシコート側へ移し、狭めるか閉塞して安定を図ろうとしている。
2011年11月7日

回復(造成)砂州の全景を下流側から見る。
現在幅70m、長さ90m。砂州の下には巨礫と籠が埋まっている。しかし、今これ以上拡大すると、異常堰上がりと洗掘が起きて作業が困難となる。全ては河道④仮架橋と河道⑤の造成待ち。
対岸の山は武装勢力が出没して、ISAF(国際治安維持部隊)は恐れて滅多に通らなくなった。
2011年11月7日

仮架橋部の基礎コンクリートうち。
河道④の造成と架橋が成否を分ける。すなわち河道③に匹敵する流れを作ると共に、交通路を確保するためだ。
幅20mの仮架橋で100m3/秒を流し、水位を下げて河道③の勢いを弱め、一挙に措置を行う。冬に向けて更に河の水位が落ちるので、仮架橋ができる12月初旬が山。橋は夏には流失するが基礎部分は残るよう、強靭な基礎を築く。
普通、一年で堰ができることはない。来年の改修の備えでもある。
2011年11月7日

基礎うちを終えた河道④架橋部。
幅20m、長さ15m、取水門床より約40㎝低く、推定流速7~8m/秒の激流が通過する。来週から緊急に応援部隊が到着、3週間で開通させる。これが河道⑤と共に今冬の工事の成否を決する。失敗は許されない。
上部構造は流されると想定、基礎だけを頑丈に仕上げる。
2011年11月8日

進む用水路内の工事。
約300mの下段造成を完了、現在主力は取水門背面80mに集中している。カシコートの作業員は屈強かつ勤勉実直。何年もPMSで働いた者も少なくない。
2011年11月8日

380m地点の水路内架橋の完成。
3週間後に使い始め、取水門上流部護岸に使用する巨礫の大量輸送が可能となる。
2011年11月7日

旧カシコート取水口地点(776m)までを掘削完了。
来週から用水路壁造成が始まる。一部の湿地処理に手間取ったが、用水路左岸側に低位置で排水路を設け、河に導き、何とか原型を仕上げた。これによって、1.6㎞の造成は先の見通しがついた。
2011年11月8日

川幅の掘削拡大。
取水門から400m上流は、クナール河の幅が著しく狭まっている。しかし、水深はカシコート側で案外浅く、このため異常堰上がりが起きやすかった。
今回は幅平均50m以上を掘削して連続堤防を置く。普通河岸に堤防を築けば、これに沿って水深と流速が増す。PMSの力量では捨石工以外の選択肢がないものの、利点は洗掘部で転石が起きて自然がバランスをとってくれることだ。やがて中心に砂州が発生して河を二分する。
2011年11月8日

河道④の仮架橋に使う縦の鉄筋は高さ160㎝、1m前後が水に浸かる部分で、残りがコンクリート床に埋設される。自分の身長と同じなので、記念撮影。

年甲斐もなく、元気でやっております。腰痛から解放され、健康のありがたさが身にしみております。

「司令部は前線」がPMSの鉄則、臨機応変の対処が現場でないと、この仕事は不可能。外科医の手術場と同じです。野外の仕事は実際的で、心身にも健康的です。

みなさんもお元気で。
2011年11月8日

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