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ベスード護岸、
洪水第二波で更に200メートル崩壊、復旧作業に全力
シギ分水路開通

洪水はいったん引き、逆に河の水位は、平年より下がってきています。

ベスード護岸1700m地点は一週間の工事で何とか復旧しましたが、今度は始点から数百メートルが落ちました。洪水が根固めを越えて巨礫壁の背面から侵入、崩落に至ったものです。住民が不安がっており、来週から物量を投入して一気に仕上げたいと思います。
また、あまり拡大を許せば、対岸・カマ第一堰の取水に影響が出ます。ここは短期に総力を挙げて、決着をつけたいと思います。

シギ分水路は送水を始めました。小さな残余工事が残っていますが、間もなく終わります。カシコートでは、既存水路との連結が焦点で、現在少しづつ工事が進んでいます。

暑いですが、皆さんもお元気で。

平成25年6月20日 記

応急処置を終えたベスード護岸1700m地点付近
高水敷が根固めもろとも流され、巨礫の護岸壁背面から水が侵入、土砂を流し去ったもの。柔らかい土質を浸食しながら、洗掘が急速に進んだ。わずか百数十メートルで要した応急処置は、ダンプカーにして約450台分。
2013年6月18日

護岸始点から約100m地点。
第二派の増水で流された高水敷と根固め部分。根固め壁に使用した巨礫は水面下に残っているが、沈んだ巨礫列が逆に流速を早めて、軟弱土質洗掘したと思える。この変化は数時間で生じた。
2013年6月20日

前日見回り時の同部。高水敷を洪水流が通過した痕跡があるが、一見安泰に思えた。
2013年6月19日

同部対岸のカマ第一取水堰。こちらは安泰だが、ベスード護岸線の状態によっては用水が乗らなくなることもある。
2013年6月19日

最も重要な「しめきり提」の全景。昨年の補強工事で、水制による河床低下と共に、急角度で落ちてくる河道が分散、難を逃れた。
2013年6月18日

ベスード第一取水堰。昨年のかさ上げ工事(水門)が奏功して、洪水流入を完全に防いだ。もし、ベスード護岸(クナール河沿い、特にしめきり提)が破堤し、さらに本取水堰建設がなければ、どうなったか。身の毛がよだつ。このような事態は過去もあったろうから、農業生産が上がろうはずがない。
2013年6月12日

カブール河の異常高水位は6月7日に始まり、6月10日にピークに達し、20日までに平年並みに戻った。写真は2013年6月12日、まだ異常高水位。今や訓練された水門番は、「この堰が全世界を救った」と胸を張るが、日本と同様、人々は案外無関心だ。河周りの工事は地味な仕事で、あまり脚光を浴びない。
2013年6月12日

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