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カマ堰第一次改修終了
マルワリード用水路、秋季浚渫行事
カシコート堰、時機到来

当地は、突然秋になり、急に冷え込んできました。というより、まるで夏と冬しかないような極端な変化です。先週扇風機を片づけたと思ったら、このところジャンバーを探す状態です。

戻ってからまる一カ月、カマ堰の改修に全力を挙げてきましたが、明日よりカシコート堰の仕上げ工事に入れます。何といっても、連続堰から輸送交通路を確保し、一挙にマルワリード取水口まで補修できるのは夢のようです。

水車は基礎を終え、数日中に本格稼働します。正確な給水量や灌漑面積は、設置完了後、次回お知らせします。

定例化しようとしている「秋季浚渫行事」は、去る10月28日に始まりました。今年は大洪水のせいで泥土の堆積があちこちで目立ち、25㎞中に6か所設けた排水路が見直され、事務所側も用水路の維持管理を痛感、少しずつ本気で乗り出してきたのは、嬉しいことでした。やはり、日常的に身近にあると、「あって当たり前」と思いやすいのは、日本と同じです。その意味でも、定例行事化は根気よく進めなければなりません。

今年はシギ取水口が流失し、どの村落も水確保で殺伐な状態が続いていましたが、必死の努力で少しずつ改善に向かっています。

しかし、夏以来の疲れがたまってきているので、12月中旬までには連続堰完成、カマ堰の第二次改修終了、カシコート送水路着工などの懸案を一気に片づけ、立て直しを図りたいと思います。

平成25年11月1日 記

カマ堰の河道開放。砂州Ⅰを破り、河道①と合流していた河道②を完全に分離、水位の下がる12月を待ち、第二次工事を行う。12月でないと流量配分の見当がつかないからだ。一時休戦してカシコートへ向かえる。
2013年10月29日

河道を復旧すると、カマ第一堰を越えて第二堰に向かう水量が激減、最大の送水量を誇るカマ第二用水路の水が一時途絶えた。洪水で堰体が大破していたが、クナール河の全水量が流れて、一見正常水位を保っているように見えていたからだ。現在、やっと回復した。第一堰の安定水位と大洪水に耐えた堰体の強さが印象的。
2013年10月29日

カマ第二堰の復旧。いつの間にか、夏の濁流が冬の清流になり、水しぶきが美しい。今回の大洪水の教訓の一つは、堰体の素材に角石を使わず、丸い巨礫だけで捨石工を行うのがクナール河では必要条件ということだ。今回は徹底し、堰の幅、長さ共に十分量をとる。
2013年10月31日

中洲側からカマ第二堰を見る。
2013年10月31日

昨年から定例化された浚渫行事。行政住民一体となったマルワリード用水路浚渫行事を何とか定着させる。
2013年10月27日

午前8:30、モスク横のマドラサの中庭に集まった村民たち。今年は、水争いの頻発で各村が対立、集まりがやや悪かったが、ガンベリ定住者とPMSが音頭を取り、何とかスタートした。
2013年10月27日

用水路を作るのは簡単ではないが、維持はもっと努力が要ると力説。今回は水利組合長が積極的に動き、動員を実現した。
2013年10月28日

完成を待つマルワリード=カシコート連続堰。第④・第⑤河道のつなぎ目が破損、交通ができなくなっている。いよいよ明日からのお楽しみ。
2013年10月28日

第⑤・第⑥河道への流れが途切れている。河川水量の急激な低下と、堰の破損部に大量の流れが発生したからだ。しかし、工事時期は今がタイミング。来週から現場の中心がここに移る。
2013年10月28日

カシコート取水口から河道②,③.④を見る。全体には程よい堰き上げが保たれている。
2013年10月28日

カシコート既存水路の連結部で重要なのが洪水路の横断。約20メートルのサイフォンで通す。しかし、マルワリード用水路に比べれば、脅威がはるかに少ない。
2013年10月28日

ガンベリ沙漠横断水路の中で、最も激しい洪水にさらされてきた場所。ガズ(紅柳)の成長と共に、年々水路内への土砂流入が減り、浚渫が楽になっている。洪水路に肥沃な土砂が堆積し、紅柳の落葉が有機物を増す。農業班が喜んで持ち去る。
2013年10月31日

ガンベリ沙漠。おなじみの「Q3池」からの光景。砂防林の森が厚くなっているのが分かる。
2013年10月31日

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