前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ

連続堰、第3河道整備開通を一週後
タプー堰・ベスード護岸一次改修終了
クナデイ村揚水水車、設置最終調整 シギ送水路の見直しと分水路設置検討

現地はまだ雨期に入っていません。それでも曇り日が増えてきたので、河周りの工事を急がせています。河川の水量は最低水位となり、工事が最もやり易い時期です。この水位が普通2月中旬まで続き、増水が始まると手に負えなくなります。また、雨期が始まると河の水位は一定を保ちますが、濃霧や小雨でコンクリートが扱えず、見通しが悪くて事故が増え、工事が泥沼となります。この一・二週間が突貫工事の限界であろうと思います。

カマ堰の第二次改修を終えた現在、最優先は当然連続堰で、連日努力が続けられています。12月5日、タプー堰とベスード護岸も第一次改修を終えて重機と人員を引き上げ、農業・植樹班以外のPMSの全精鋭を「カシコート」に集中しています。 シギ送水路2㎞は既に完工でしたが、今夏の大洪水でシギ取水口が消滅した現在、主幹水路として送水量を増しています。強化工事、分水路整備が必要ですが、河川工事が一段落してから行います。

揚水水車は試験段階を終え、ほぼスタイルが確立しました。カンレイ村は田畑が水路底より高い位置にあったので見送り、クナデイ村に設置して改善を続けていました。最終的に一基で毎日1500トン、12ヘクタール潤せることを確認、やや大型の改良型を製作中です。12月中に設置されます。

現地は、異常ともいえる食糧価格の高騰が進んでいます。困っているのは農村から叩き出されてきた貧困層で、状態がますます悪化しています。ほぼ無政府状態で、ほとんど建設的な仕事は見かけません。他地域で田畑の荒廃は進むばかりです。この中で、小生の年齢もあり、PMSの将来をかけて自給態勢が痛感され、内部で改善が真剣に進められています。また、PMSの技術集団をいかに温存、継続させるかが改めて大きなテーマとして浮かび上がっています。

来年度の最大目標は、①カシコート主幹水路の延長(9.5㎞)、②ベスード第二堰です。①は5年以上、②は3年を見込んでいます。従って、「緑の大地計画」がほぼ完全に仕上がるまで、生きていれば70歳を超えるので、今が最も努力が要る時期と考えています。ベスード第二堰については、多少の修正がありますが、現在の最大案件です。最後の吶喊となりましょう。みなさんも諸事情で青息吐息かも知れませんが、ご協力を宜しくお願いします。



平成25年12月6日 記

連続堰と河道の最終位置

連続堰の河道①(マルワリード堰体内の砂・水吐き)をカシコート水門から遠望。今年こそ再沙漠化の不安にとどめを刺す。
2013年12月4日

河道②の補強措置を開始。脆弱部に巨礫を足し、年々進行していた崩壊を防ぐ。
2013年12月4日

白鯨を目前にするエイハブ船長の心境。公的事業ではあるが、これはもはや私闘だ。だが急ぐな、河に尋いて狙いを定め、一撃で確実にモリを打ち込み、弱らせておいて巨礫を大量に投入する。
2013年12月4日

マルワリード堰の河道①、河道②を対岸から見る。河道①は5本の土砂吐きに分かれて流れ、河道②は落差2.3m、幅60mの急流を成して中心へ注ぐ。河道②の崩壊が吾々の悪夢だったが、カシコート側からのアプローチができなかった。10年の悲願達成が間近に迫っている。
2013年12月4日

閉塞された河道④(カシコート堰体内)。河道③が開通してから改修。床面を再建し、流方向と流量を調整する。
2013年12月4日

河道③交通路設計図。バカでかい駄作かも知れないが、苦心の作。工事用の交通路確保と河道固定を企図している。流方向を河道中心寄りへ向かうよう、工夫

前回の河道④の架橋部の部分崩壊は、時間に追われて雑な工法になった事も大きな反省点だ。今回は大洪水を経て細かな観察ができ、確実に仕上げる。写真の河道③の開通は一週間後。
2013年12月4日

交通路を右翼から眺める。周囲は巨礫で埋め、接合部はコンクリートで巨礫を埋め、構造物が巨礫に埋め込まれたような形状をとる。
2013年12月4日

主幹水路とカシコート既存用水路との接合部造成を再開。二つのサイフォンをくぐって連結される。
2013年12月3日

前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ