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ガンベリ農場、農繁期
~牧畜の開始 / 急激な増水に速やかに対応 /
排水路建設で各村が合意~

最近は何時になく職員の動きが敏捷で、的確に指示通りに動いていました。洪水の応急工事は間もなく終わります。

目下、麦の収穫に総動員で、大方の職員と作業員が農民に戻っています。今年こそは速やかに刈って起耕し、きちんとした水田を実現したいと考えています。(昨年は大洪水のせいで、主力が河周りに動員 され、田圃の造成が思うようにでき ませんでした。)

牧畜の方は、乳牛5頭、仔牛5頭で始め、少しずつ数を増やしていく方針です。こちらも砂防林が威力を発揮し、アルファルファが盛大に増えたおかげで、やっと可能になりました。いよいよガンベリ沙漠開 拓に本腰が入りつつあります。

最大の懸案は主幹排水路の建設でしたが、本日村落間でやっと合意に至りました。分かりにくいかも知れませんが、排水路のない土地はやがて塩分が溜まったり、湿地化したりして、無用な存在となります。 (3月21日報告書P6参照)しかし、 寸土を惜しむ農民たちの合意を取りつけるのが至難の業で、長いこと難航していたのです。結局、これまでの湿地処理の実績にものを言わせ、各村を説得した上で「行政命 令」の形式をとりました。沙漠横断路の開通から5年です。

「緑の大地計画」の総仕上げで、残る河川工事が「ベスード第二堰」の建設です。これもJICA側と合意ができれば、「共同事業」として、今秋に着工できると思います。これが最後の大きな河の工事と なります。詳しくは話が具体化して からお伝えします。

政情は相変わらず思わしくありませんが、自然は人を待ってくれません。何とか実現にこぎつけたいと思います。

ソルフロド郡の壊滅で、この旱魃が並のものでないことが、漸く人々の間でささやかれるようになりました。ここは、ひと踏ん張りして、何があっても「緑の大地計画」の実現に向け、力を尽くしたいと思 います。

平成26年5月8日 記

昨年の苦い経験をふまえ、今年は全作業班総動員で麦刈りを行う。立派な麦なので35ヘクタールで100トンを超える可能性が高い。完全自給に大きく近づいた
2014年5月8日

乳牛は立派で、驚くほど牛乳がとれる。わずか5頭だが、これからチーズ、ヨーグルトも生産していて、食卓に並ぶようになった。しばらく少ない数で経験を積み、徐々にニーズに応じて 拡大する
2014年5月7日

牛舎の建設。「俺の家より立派だ」とは、貧しい作業員の弁。将来的に20~40頭の収容を可能にする予定
2014年5月7日

果樹の間に植えたアルファルファ。半ば野草化している。牧畜を可能にした主役。気温が上がると生育が旺盛で、やせ地でもどんどん増える。原種のクローバと 異なり、四季を通じて生える。phの高い(アルカリ性の)土地の中和に最適で、生やすとph7以上あった土が5まで下がる
2014年5月8日

ガンベリ記念公園は少しずつ手入れが行き届き、花盛りだ。休日にはジャララバードの市民たちが散歩に来る。家族連れも多く、それだけここは治安がいいということだ
2014年5月8日

記念塔を高くしている。沙漠横断路2.5㎞地点にあり、かつて熱風と砂嵐の中での司令塔だった。特別の思いを皆が抱いているのだ
2014年5月8日

2009年7月29日の同部。用水路は開通直前で、カマ第一堰、マドラサ建設、湿地処理、岩盤周りの貯水池、PRTとの対決と、全て同時進行だった。あの頃、誰も現在のガンベリを想像し なかった。想像よりは願望に近かった。司令塔はコンパネと鉄筋で日蔭を作り、昼食のナンは砂が混じった。

PMSの本領は現場重視の野戦である。廷宮を低くしてコウケツ(灌漑)に力を尽くす。ここではカビの生えた理想ではない。質実であること、みなそれを胸に刻む。職員はサンチョパン サであることを欲する。それが生きる術ならば、骨とう品はそのまま生き続けた方が良い
2014年5月8日

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