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小麦大豊作、生産拡大へ意欲
~多様な農場経営とPMS独立へ一歩
用水路建設以来、貯水池らの本格的浚渫を開始~

麦刈りが終わり、脱穀と起耕が始まりました。今年の麦のできは良く、約35ヘクタールで100トンは行けるのではないかと、みな期待しています。水稲を増やすつもりでしたが、排水路を完備してからが良いという意見が強く、今年は昨年の12ヘクタール程度に止め、サトウキビ、トウモロコシ畑を増やしています。

洪水への備えは十分で、今年はみな、何時になく余裕があり、明るい表情です。このところ、ほぼ毎年、河周りの緊急工事(主に護岸)に追われてきて、それが普通のような感じがしていたからです。

小生はまもなく一時帰国しますが、今年はベスード郡に照準を当て、何とか全郡の安定灌漑を達成したいと考えています。

ガンベリ沙漠は今や森が迫り、豊かな自然の幸を堪能しつつあります。砂嵐と洪水の危険が遠のき、他の地域がうらやむほどの楽園になりつつあります。しかし、開墾はこれからです。数年以内に、地域とPMSの完全自給を達成するつもりでおります。

平成26年5月18日

脱穀風景。農場の一角に設けた作業場で。
2014年5月18日

脱穀機は伊藤さんの御両親から寄付されたもの。やっと活躍できる場面がやってきた。
2014年5月18日

とれた小麦はふっくらとして香ばしい。今年は職員とその家族全員に給付される。サラリーの半分以上が食費に費えるので、これは大きなボーナスなのだ。「カネがなくとも食える」が、アフガニスタン農村の本領だ。
2014年5月18日

アフガン産の小麦は、かつて日本にももたらされたことがあるらしい。確かに大きくて立派である。
2014年5月18日

刈取り後に連続して栽培されるサトウキビ畑。今年は2ヘクタールで実施。
2014年5月18日

果樹では、シャフタルが早めに登場し、みなを喜ばせている。日本の黄桃に近い種類で、味はスモモに似ている。
2014年5月18日

アフガン人は根っからの百姓だ。収穫の喜びはたとえようがない。目の前の収穫が、そのまま胃袋を満たすという実感があるからだ。
2014年5月18日

記念公園のタワーは次第に高くなる。展望台を作ると張り切っている。楽しいニュースがない中、これが希望の象徴である。
2014年5月18日

ベスード第一堰の現在
2014年5月18日

雨による増水で取水量を制限。ベスード第一の主幹水路は造成後2年を経過、ヤナギの根が張り、強靭になっている。
2014年5月18日

板一枚向うは水地獄。河際で取水量を調整する仕組みは、実は東部アフガンで新しい方式だったのだ。堰板方式はすっかり現地に定着し、みなに受け入れられている。ベスード郡のカブール河沿いは、今や洪水・渇水の被害がほとんどなく、農業生産は飛躍的に増加している。
2014年5月18日

2012年竣工直後、万一を考え、水門高をさらに60㎝かさ上げした。2013年の大洪水のレベルは旧水門レベルを超え、みな胸をなでおろした。
2014年5月18日

ベスード第一堰の対岸(ジャララバード市内)。自然をなめてはいけないということだ。
2014年5月18日

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