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ガンベリ記念塔。高さ16メートル、5階建。農業事務所が下の階に置かれている。職員・作業員が暇を見ては少しずつ進めている。
2014年6月23日

記念塔からの眺望。ガンベリの西側(PMS農場)の変化が良く見えるようになった。砂嵐は完全に防がれた。オレンジ園は用水路右岸沿いに5000本、第二農園(Bブロック)に約1000本、計6000本が植えられている。来年3月の「オレンジ会」の会場を目指して、公園が拡張整備されている。
2014年6月23日

現在でも十分美しく、休日は家族連れの来園者が絶えない。州内で治安が最も良い場所として、人々に憩いの場を提供している。色とりどりの四季の花で囲まれる。春の花盛りが過ぎたが、秋に再び賑やかになる。オレンジ会に向けて芝生を拡大し、記念塔を朗読のステージに出来る。
2014年6月23日

今年から登場した「さとうきび畑」。現在、約2ヘクタールで作付けを行い、自分たちで精製する。ティータイムの茶菓子はこれで自給できる。現在職員に配布されているのは、小麦、米、乳製品、各種野菜など。その他間伐材を乾燥させた薪などを加えると、来年頃から徐々に「減給」が見込まれる。
2014年6月23日

ガンベリ沙漠開拓は、洪水・砂嵐だけでなく、湿害との戦いでもあった。既に2008年からクナール河への排水路再生を開始、旧シェイワ村落の半分近くを占めていた広大な湿地を処理して耕作地を回復した。しかし近い将来、ガンベリで水田が拡大すれば、旧排水路の排水能力を超える。PMSでは二年前から整備に乗り出していたが、今回、本格的に実施する。約8㎞に及ぶ工事は、かなりの努力を要する。難関は最終地点500mの地下排水路で、ほとんど勾配がない場所の切り札として計画。実際には、これまでシェイワ湿地処理に約800mの暗渠を埋設した経験があり、技術的には困難がない。村落間の調整に時間を費やしてきた。

●ガンベリ沙漠における湿地発生の機序と対策

ガンベリ沙漠は様々な厚さの砂層(0.3~3.5m)の下に、分厚い粘土性シルト土層がある(2.0~4.0m)。砂質土は水はけが良いが、シルト層は水が溜まりやすい。集中豪雨や開墾による給水で飽和状態に達すると、浸潤線が上がり、シルト層の融解で窪地が発生、湿地を形成する(図1)。 対策は、貯留水のレベルと掘削によって浸潤線を確認、より低い位置で排水路を造成し、勾配をつけて排出し、浸潤線を下げる。地面の勾配が乏しい場合は、数百メートル毎に、碁盤目状に排水路を置き、必要なら下流側に暗渠を設けて排出する。

浸潤線を確認するための試験掘削。一カ月前に掘り、既存排水路に導いたもの。浸潤線の低下約1メートルを観察した。
2014年6月23日

浸潤線の低下で消失した沼地。ガズ(紅柳)が生き返っている。紅柳は浸潤線に達すると成長が止まり、矮小化する。高木になるのは浸潤線が低い場合だ。脇枝の高さが浸潤線の深さをかなり正確に反映する。湿地化すると枯死する。
2014年6月23日

ベスード第二堰(ミラーン)の予定地。夏の状態の観察。2010年、2013年と二度の大洪水で流失した耕地。取水口は常に洪水が侵入しやすい場所にある。運命的なものだが、やはり住民にとっては恐怖である。
2014年6月22日

既設の堤防は年々深掘れが進み、もはや時間の問題。5月に観察した時より、堤防壁が傾いてきている。問題は堤防の基礎が弱く、根固め工らの対策が施されていないことだ。施工するなら1.5㎞全体の新設になる。
2014年6月22日

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