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サルフラーズ看護師、死亡
~ジャリババで集中豪雨と鉄砲水、用水路は大きな影響なし
  ガンベリ主幹排水路工事、交通路の敷設を開始~

帰国して3週間が経ちました。いろんな出来事がありました。

1.ラマザーン明けにジャリババで激しい集中豪雨、用水路壁(700m地点)の一部決壊  を復旧
2.ベスード護岸・しめきり堤の部分崩壊を復旧
3.カシコート沈砂池第2送水門の建設
4.ガンベリ沙漠の主幹排水路建設開始
5.農業事務所(ガンベリ記念公園)増築中
6.オレンジ園拡張

以上の比較的小さな工事が進められています。大きな工事や懸案は全て秋に再開し、政情の安定を待ちたいと考えています。

現在、政府がまともに機能してない状態で、大きな工事の申請や許可が滞っている状態でした。大統領選挙の混乱が尾を引いていますが、一カ月で投票が見直され、それから組閣が始まるとのことです。今秋までにはより安定した状態を期待し、動き始めています。

当面、カシコートの仕上げを続けながら、ガンベリ沙漠に引きこもり、開拓を進める予定です。秋のベスード第二堰(ミラーン)着工に向けて、本格的に動き始めるのは9月になります。

「アフガニスタン安定」を待っているうちに30年経ったことを考えると、待っても仕方ないとはいえ、やれることを着実に進めていきます。

なお、サルフラーズ氏が去る7月17日死去しました。18日に葬儀でしたが帰国の途にあり、列席できませんでした。旧い会員の方々はご記憶かと思います。27年間、PMSと命運を共にし、重鎮の一人でした。ダラエヌール診療所の開設に始まり、各診療所の建設、水利事業が中心になってからは現場監督として働いてきました。ダラエヌールのブディアライ村出身、正直かつ勇敢、信仰厚いイスラム教徒で、どんな危険にあっても冷静に対処し、小生も一方ならず救われてきました。享年60、死因は腹部・下肢の貫通銃創、敵による襲撃でした。寂しくなりました。冥福を祈ります。

平成26年8月10日 記

ガンベリ沙漠に近いシェイワの湿地は古いものだったが、シェイワ堰が復活してから拡大した。村落間の協議がなく、無秩序に取水したためだ。 現在はPMS管理下で取水を制限、計数十キロメートルの排水路網で完全に回復している。ガンベリ開拓進展に伴い、新たな排水系を建設中。

湿地処理はひたすら排水路を掘り、自然河川へ戻すことだ。排水路整備は2008年から始められていたが、やっと本腰が入ってきた。写真は主幹排水路4で、約1km地点。まず試験掘削をしながら交通路網を敷き、測量をくりかえしてから最終水位・傾斜を決定する。
2014年7月15日

開墾地拡大による浸透水の上昇。砂丘を掘ると粘土質のシルト層が現れる。ガンベリ開墾地全体が平皿上の窪みで、浸透水が貯留しやすくなっている。溝を掘ると流れを作り、周辺はたちまち乾く。土地全体が湿り気を帯び、草地が増えているのがわかる。この処理方法は福岡県の柳川でみられる。
2014年7月15日

ガンベリ記念公園の農業事務所の増築。
2014年7月15日

ラマザーン(断食月)が終わるとピッチが上がる。上の写真から20日後。
2014年7月15日

増築は、新築より難しい。記念塔の基礎の弱さを補うべく、がっちりと一塊につなぎ固める。
2014年7月15日

オレンジ園の造成。砂防樹林帯と旧水路の間、幅200~300メートルを約1kmにわたって傾斜をつけ、削ったシルト土を開墾予定地に運ぶ。
2014年7月15日

今年からガンベリ農場に現れたサトウキビ畑。生育は極めて良い。
2014年7月15日

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