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ジャリババ洪水通過路。山麓25キロメ-トルを這うマルワリード用水路は、至る所で土石流や鉄砲水の谷をくぐる。サイフォンで潜らせるのが最善だが、傾斜の都合で「洪水の橋」を造成せねばならなかった場所が3か所(700m地点、3.6km地点、21km地点)ある。ジャリババ渓谷(700m地点)が最大で、幅35メートルに改修(2010年)、大きな被害はなくなった。今回の集中豪雨はかつてないもので、一部に被害が見られた。(以下職員撮影・送信)
2014年8月3日

10数キロメ-トルを急傾斜で下る水量は甚だしく破壊的。今回は路肩保護に設置した蛇籠壁の直下をえぐり、土砂の一部が水路内に流入した。
2014年8月3日

取水門を一時閉鎖して水路床を見る。路肩の崩壊部は幅約8m程度で、用水路内にわずかの土石を堆積させたのみ。水路壁や水路床の破壊は見られず、被害軽微。柳の根が蛇籠の隙間をくぐって水路壁を覆っているのが見える。
2014年8月3日

改修と水路内の浚渫をわずか半日で終えて復旧した同部。水稲が増えた今、渇水は致命的だ。断水は一時間で、流域に影響がなかった。このような維持補修は限りなく続くが、最近はPMS職員が自らの判断と努力でたちまち修復する。そのことが一番大きな嬉しい変化だ。
2014年8月4日

用水路3.6km地点(カンレイ村)の洪水通過路(コンクリートの下を用水路が流れる)。幅16メートルに激流が流れ、構造物直下の土石をえぐっている。
2014年8月3日

このような場合、籠や巨礫を詰めると、被害を抑えることができる。集中豪雨の季節を過ぎてから、鉄筋コンクリート床か籠で仕上げる。
2014年8月4日

ジャリババ渓谷と洪水通過路(ヤナギ並木の途切れた所)を対岸のカシコート側から見る。
2014年8月5日

カシコート堰の水位変動。6月下旬をピークに、8月に入って急な下降傾向を示している。過去ベスード第一堰では8月下旬に渇水におちいった例(2006年)もあり、動向を注視している。

カシコート=マルワリード連続堰の現在。高水位のピークは去り、昨年のような大きな決壊は観察されない。初秋に最後の詰めの工事ができるよう、現在巨礫を輸送して蓄積している。
2014年8月5日

第5河道と「堰中堰」。交通路はよく保たれている。流水のしくみは、福岡県筑後川の現大石堰に酷似している。河道④が最も低く、河道③・⑤からの流れを受けて中心流を成している。
2014年8月5日

カシコートの旧洪水侵入部。越流型の水制間に土砂が堆積、水制が埋もれて見える。新しい試みとして、護岸表法にシーシャムを生やして自然樹林帯を再現しようとしている。植樹ではなく、自生してきたものに水をやり、放牧の群を遠ざけて羊から保護したもの。幼木は1.5~2.0mに成長。
2014年8月5日

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